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2015.03.05 (Thu)


学生時代のことだけど、同じサークルのダチ3人と飲みにいったんだ。
居酒屋からカラオケへ回ったが、
そんなグデグデに酔ってるってことはなかったはず。
時間もまだ終電前だったし。で、駅へ向かってぶらぶら歩いてる途中、
ダチの中の一人が舗道で急に立ち止まった。
んで、「えーなんですか? 聞こえません」って大きな声で怒鳴ったんだ。
「おま、何やってる?」って見たら、両方の手のひらをメガホンみたく右耳にあてて、
少ししゃがんだようになって「えー?、聞こえません」ってまたでかい声出した。
そんときは何かの冗談、ふざけてるんだと思ったけどな。
だから、「いいから、くだらねえことやってねえで行くぞ」
「電車、間に合わなくなってしまうぞ」こんなふうに口々に言った。

そしたらそいつは雨あがりでまだ濡れてる舗道に横になって、
右耳を上に向けて「はー、聞こえました。はい、了解しました!」
こう叫ぶとぴょんと飛び起きたんだ。で、ガードレールを乗り越えて、
ダッシュして車道を向こうへ横断した。いや、時間が時間だから車は通ってなかったけど。
「おい、待てよ」何をするのか見てたら、
向こうの舗道をコート来たサラリーマンらしき人が通りかかったんだよ。
で、その人に体当たりするみたいにして、突き飛ばした。
ちょうど自販機が4つ5つ並んでるとこで、
サラリーマンは不意をつかれた形になって、自販機にドンとぶつかって、
その下にへたり込んだんだ。「あ、やべえ」こう思って、
俺ら全員で車道を走って横切った。

向こうに着いたときには、そいつはサラリーマンの横の自販機に手をかけて、
サラリーマンに向けて倒そうとしてたんだ。ところが重いせいで倒れない。
一人がそいつを羽交い絞めにして、俺がサラリーマンの手を引っ張って立たせ、
そいつから離れたとこまで連れてった。
「申しわけありません」って連呼しながらな。
そうしてるうちに暴れたやつは静かになり、羽交い絞めされたまま体の力が抜けてた。
俺らは「おケガありませんか?」「すいませんでした」って、
とにかくサラリーマンに対して平謝りした。
サラリーマンはコートは汚れてたけど、ケガはなかったみたいだったが、
警察呼ばれてもしかたないと思ってたら、
「何ですかあんたたち、酔ってるの? ほどほどにしなさいよ」

こうオカマみたいな口調で言って、立ち去ろうとしたんだ。
ラッキーって思った。警察呼ばれりゃ、ケガはなくても問題になるし。
そのサラリーマンは40代くらいで、顔とかはオカマって感じはしなかったけどな。
その人が歩き去るのを、俺ともう一人のやつが「すみませんでした」って、
頭を下げて見送ったんだよ。それから暴れたやつのとこへいったら、
もう一人のやつに襟首つかまれたまま、目を半眼にしてうつらうつらしてる。
それを見てカーッときて、ひっぱたいたんだよ。
そしたら「痛え? 何するんだ?」って目を開けたから、
「お前今、大暴れして知らない人を転ばせて、その上に自販機倒そうとしたんだぞ」
説明したら、黙り込んだ。それから、
「ああっ! そういえばそうだ。俺、何であんなことしたんだろ?」

こんな調子だったんで、こっちもバカ負けして、
たまたま通りかかったタクシーをつかまえて、そいつを乗せて帰したんだよ。
で、それから2日してそいつと大学で会ったんで、そのときの話をしたら、
「後になって思い出した。俺、見ず知らずの人をケガさせようとしたんだよな。
 お前らが止めてくれたから大事にならなかったけど・・・」
ここで少し言いよどんで、「でもよ、俺、後悔してる感じがあるんだよ。
 いや、あのときなんで、サラリーマンの顔とか踏んつなけなかったのかって」
こんなことを言ったんで、それ以後そいつとつき合わないようにしたんだ。
でな、2年後。俺らはもう大学卒業してたんだが、新聞テレビで、
介護士が老人を何人も虐待して、中にはそれが原因で亡くなった人もいるって報道された。
顔写真も出てたけど、それが、あんときのサラリーマンだと思ったんだよ。
虐待が始まったのが、ちょうどその2年前ってことだった。



中1のとき。ちょうどコックリさんが流行って、禁止されたばっかりのことだった。
でもやってたんだよ。放課後の空き教室とかでちょっと。
道具は紙に「あいうえお」書いたやつを作ってあれば、あとは10円玉一枚でできるし。
でも、信じてるってわけでもなかったな。
みんなが自分らの意思で10円玉を動かしてるんだと思ってた。
だってよ、期待通りっていうか、いかにもガキが考えそうな内容しか出てこなかったし。
で、ある日、放課後の部活が終わった後、
理科室で男だけ4人でこっくりさんをやったんだよ。
まあ暗いと思うだろうが、俺ら生物部だったしな。
たしかに明るくてモテるやつはいなかった。
さいしょにこっくりさんを呼び出して、名前を尋ねたんだ。

したら、いつもならツルツル動くはずの10円玉が固まってしまって、
のりで紙にくっつけたように動かなくなった。
でな、仲間の一人が手を話して急に床に寝転がったんだ。
それで片方の耳に両手をあててパラボラアンテナみたくして、
「はい? なんですか? 聞こえません。はい? もっと大きな声で・・・
 ああ、はいはい、了解しましたー」って言ったんだ。
ふざけてるかとも思ったが、ふだんはそういうノリのやつじゃないんだ。
りょんと飛び上がるようにして立ち上がり、
「うわー」と叫びながら理科室の外に飛び出していった。
もちろん追いかけたよ。そいつは階段を駆け下り、
内ズックを履き替えもしないで外に出てったんで、俺らも後を追った。

したら、グランドに行って中に入り込み、
陸上の幅跳びの練習してた男の生徒に飛び蹴りをかましたんだ。
でも高さが足りなくて腰のあたりに当たり、たいしたダメージはなさそうだった。
そいつはびっくりした顔をしてたが、仲間がなおもつかみかかってくるんで、
もみ合いになった。そこへ俺らが追いついて、なんとか引きはがしたんだ。
ちょうど教師が見てないとこだったんで、
俺らは「すまん、すまん」とか言いながら、そいつを抱えて校舎へ連れてったんだ。
そいつはそのときにはもうほとんど普通に戻ってて、
「あれ、俺なんで外に出たんだ」とか言ってたよ。
飛び蹴りをうけた陸上部のやつは、その4月に別の小学校から来たやつで、
体がでかかった。だからあのままケンカになれば、仲間のほうが圧倒的にやられたと思う。

で、その後は特に何もなかったというか、
3学期になると陸上部のやつは、ずっと離れた大都市の学校に転校して行ったんだよ。
後になって、仲間のやつに「あのとき何であんなことをしたんだ?」って聞いたら、
「こっくりさんをやってたら、耳元で声が聞こえたんだ。
 幼稚園児がそろって歌ってるような声で、歌詞がよく聞き取れなかった。
 そのうちに倒れてしまって、そしたら内容が理解できたんだ。
 ○○をこの世の外に出しなさい、みたいな意味のことを言ってた。
 そっから先はお前らも知ってるとおりだ」○○ってのが陸上部のやつだよ。
それからずーっと何もなくて、俺らは全員別の高校へ行って10年以上過ぎた。
それで、こないだ通り魔の事件があっただろ。あの犯人の名前、聞き覚えがあるなと思って、
あれこれ考えたら、その中学のときの陸上部のやつだったんだよ。

同姓同名だったし、写真を見ても間違いないって気がした。
・・・まあ、ここまでなら偶然で片づけられるかもしれないが・・・
被害者の一人の女性が、生物部のときに、
こっくりさんやって外へ飛び出してったやつの奥さんだったんだ。
これはちゃんと確かめてるから間違いない。
なあ、前の人のと似てる不可思議な話だろ。「この世の外へ出す」って言ったんだよ。
もし、あんときそうなってれば、この事件は起きなかっただろうけど、
あいつだって少年院とか精神病院とかに行くだろうし、
そうすれば亡くなった奥さんと、おそらく結婚してないんじやないかと思うんだ。
それともそうじゃないのかな。あと、子どものコーラスみたいなのって何なんだろ?
だって神様とかなら、自分でこの世を自由にできるだろうし、ねえ?







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コメント
 傍目には「電波が俺に命令するんだ!」ですね。その命令を完遂してしまうと人生を棒に振る代わりに、少なくない人命を救える・・・何だろう、ちょっと違う気もするけど功利主義でしょうか。確かに神様じゃなさそうw
| 2015.03.08 23:23 | 編集
コメントありがとうございます
この世の因縁は綾をなしているというか
自分がなぜか虫が好かない相手がいて
調べてみたら祖先同士でいがみ合っていた・・・
そういうことはあるようです
また、それを利用する存在も
bigbossman | 2015.03.09 06:24 | 編集
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