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聞いた話

2015.03.12 (Thu)
自分の書いてる話は90%以上創作なんですが、今日は趣向を変えて、
人から聞いた話を書いてみることにします。
ただし実際に人から聞いたのは間違いないものの、
現実にあったことなのかは保証しかねます。

キノコ

ある30代の女性から聞いた話です。この人はフリーの編集者で、独身です。
だんだんにキャリアを重ねて収入が増えてきたので、
転居をすることにしました。
埼玉から都内へ賃貸ワンルームマンションを移ったわけです。
引っ越しの祝いに、同年代の女性を3人呼び、ワインと生ハムで軽パーティをしました。
その友人のうちの一人が、普段から霊についてうんちくのある人で、
いわゆる霊能体質だったんだそうです。
編集者の女性は、霊体験もなく、そもそも霊など信じてなかったそうですが、
ワインのグラスを重ねるうち、ふとイタズラ心を起こして、
霊感友人に、「この部屋、何か感じるものある?」って聞いてみました。
友人は「いや、なんもないと思うけど、ちょっと待って」

そうい言って目をつむり、立ち上がって四方に向きを変えましたが、
目を開けると一言「キノコが見えた」と言いました。
「えー、キノコ!」皆は笑い出しましたが、霊感友人は真顔で、
「なんか白いキノコの茎がないやつが縦に3つ生えている様子が浮かんできた。
 いいものかも、悪いものかもわからない。
 人じゃないし、たぶん害はないと思うけど、
 もし部屋でキノコとか見つけたら知らせて」
でも、そのマンションは中古といっても築10年以内だし、
下見をしたときに、キッチンの戸棚やバスルームを見て、
湿気ったり黴たりしていないのは確認済みでした。
それに霊がもしあるのだとしても、キノコに何ができるのかという気もあったそうです。

それから2年経過し、特に何事もなく。その女性はフリーから、
大手出版社の社員になり、有名な雑誌の編集部に入ってました。
その夏、エアコンから異音がするようになりました。
それも室内も音は響きますが、
それよりベランダにある室外機のほうが音がひどく、
冷気も弱くなってきたため、業者に修理を頼んだんだそうです。
その修理に立ち会うため、平日の午前ですが、部屋にいました。
若い人が2人来て、さっそく修理が始まったんですが、
すぐに「あれっ」「なんだこれ、ちょっと来てください」って声がしました。
ベランダに出てみると、室外機の外面が外されていて、
修理の人が右端の隙間を指さしてました。

見るとそこに、綿ボコリに覆われた15cmくらいの細長いものが縦にはまっていて、
その上に、種類のわからない茎のない3cmばかりの白いキノコが、
上下3つ生えてたんだそうです。
修理の人がキノコの生えたホコリだらけの棒を工具でこじると、
それは簡単に外れてベランダの床に落ちたんですが、
骨、だったんです。もちろん人間のではなくて、おそらく猫の前足。
骨はすっかり乾いていて、切断部分は刃物で切ったように平らだったそうです。
まあこれだけの話なんですが、動物の骨なら犯罪性もないでしょうし、
骨は修理の人たちに頼んで捨ててもらったということでした。
その女性は「猫の声を聞いたとか、夢を見たことは一度もない。動物好きじゃないし。
 ただ、料理なんかで何度か手をケガしたことはあるけど、
 それは私が下手なせいで、単なる偶然だと思う」そう言ってました。

赤い色

これも霊能のある人が出てくる話で、業界の仲間ではなく、
自分の高校時代の友人です。大学は別々だったんですが、
帰省のときの飲み会でこの話を聞きました。
この友人は3年前、まだ若くして心臓病の手術中に亡くなっています。
友人が小学生時代、地域の伝統行事の獅子舞だか鹿踊りだかをやらされたそうです。
夏休みが踊りの練習でつぶされるので嫌だったって言ってました。
体にえんじ色の風呂敷のような布をまとい、
木を彫ったかしらを被って、一人一体で並んで踊るものだったそうです。
練習中は特に何事もなかったんですが、
夏祭りの当日、演台に出てお囃子に合わせて踊っていると、
世話役の一人が観客席の前列で立ち上がったのが見えた。

被り物の口から外が覗けるようになってるんですね。
その人は祭りの法被を着て、その下に白いさらしを巻いてたんですが、
被り物の口を通してみたとき、
さらしと下穿きにべっとりと赤い色がついていたそうです。
血だとは思わなかった、と言ってましたね。
それよりもずっと鮮やかな赤だったそうです。
そのときは「ペンキでもつけたんだろうか」
くらいにしか思わなかったそうですが、
踊りが終わって汗だらけになってる楽屋へ、
その人がジュースを持ってきてくれたときには、
赤い色はまったく見えなくなっていました。

・・・普通の人なら、単なる見間違いと思うんでしょうが、
友人はこの手のことを何度も経験していたので、
ためしにもう一度、被り物をつけてみたそうです。
すると、その口から見ると、やっぱり世話役の人の胸から腹にかけて、
べったりと赤い色がついている。
友人の話だと、赤というのは一番よくない色で、
人の恨みみたいなものを表しているということでした。
赤からオレンジ、黄色はあまりよくなくて、青系はセーフ。
聞いたとき、なんか信号機みたいだなと考えて、印象に残ってるんですね。
その世話役の人は、学校の購買に文具を搬入している業者の社長で、
まだ40代だったんですが、夏休みが終わるころに入院して、

それから1か月くらいして内臓の病気で他界したそうです。
これを聞いたとき、地元の友人らは「俺らに何か見えるか」とか、
半分冷やかし気味に聞いたんですが、
「特に何も感じないよ」って言ってたと思います。
その友人らの訃報は聞いてませんので、
あの中ではそいつが一番早く亡くなった、ということになるわけです。
自分のことというのは、わからないものなんでしょうか。







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