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貸す

2015.03.15 (Sun)
小学生のときです。6年生の1学期間ですね。
すごく変なことがあったのを、最近あることがあって思い出しました。
始まりは4月、新学年になってすぐでした。
登校の途中、信号待ちをしてたところ、突然後ろから声をかけられたんです。
「やあ」って。振り返ると、ネクタイをしたサラリーマン風の人で、
そこそこ若かったと思います。その人は私に向かって、やや腰をかがめ気味にして、
「ああ、君が新しい貸主さんだね。・・・貸してください」って言ったんです。
「えっ? 何をですか」当然こう聞きますよね。
そしたらその人はすっと背を伸ばして、
「気にしなくてもいいよ。少しでも会話をしたら交渉成立だから」
そう言ってそっぽを向き、信号が変わると足を速めて追い越していっちゃったんです。

変だなあ、とは思いましたよ、もちろん。
学校でも、知らない人と話をしちゃいけないって言われてましたから。
でも、別になんの害もなかったし、たいしたことないだろうと思って、
すぐ忘れちゃったんです。で、午前中は特に何事もなかったと思うんですが、
給食の時間から始まっちゃいました。ええ、不運がです。
当時の担任の方針で、欠席者がいる場合、
その人のゼリーなんかがもらえることになってたんです。
ただし希望者が多かった場合はじゃんけんになります。
その日はブルーベリーヨーグルトで、「いただきます」をしてから、
担任が「ほしい人出てきて」って呼びかけ、
4人の男子が出ていって、じゃんけん。これは負けました。

まあ、確率1/4ですから、外れるのに不思議はないんですが。
その後です。自分の席に戻ろうとしたとき、
腰のあたりを軽くひっかけただけなのに、
給食をトレイごとひっくり返しちゃったんですよ。
・・・ご飯とおかず類はまだ残りがありましたけど、
自分のヨーグルトは見事に逆さになって中身がこぼれ、食べられなかったんですよ。
これをきっかけに、午後は悲惨の極致でした。
5時間目の算数の時間には、前日にちゃんとやったはずの宿題が、
なぜかノートにはさまってない。提出できず放課後に残されて、
やりおえたと思って立ったとき、
あれほどさがしたはずのノートの、次のページにはさまってるのを見つけたとか。

6時間目の図工では、学校のまわりの風景をかいた絵の色ぬりをしてたんですが、
パレットを絵の上に落してしまって、あわてて拾い上げようとした瞬間にコケて、
そのパレットの上に倒れこんで、服が絵具だらけになるとか・・・
それでもね、ああ、今日は運が悪いなあ、と思うだけで、
朝の出来事と何か関係があるとは思わなかったんです。
ただね、子供心にも、これは普通じゃないぞ、とは感じていて、
用心しいしい家に帰ったんです。翌日になると、元の日常に戻たっというか、
運が悪いなって感じることはなかったんです。その日のことは忘れました。
でね、1か月くらいたって、また朝の登校時です。
同じ信号のところで声をかけられたんです。
「○○ ○○君」って。これは僕のフルネームです。

「あ、ハイ」と言いながら後ろを向くと、
全体的に金ピカな印象のオバサンが立ってました。
髪が金色に染めてあって、金のネックレスと、
あと、手にたくさん金の指輪をしてたのを覚えてますね。そのオバサンは、
「ああ、1回で返事してくれてよかった。じゃあ、すみませんがお借りします」って、
両手で僕を拝むような格好で言ったんですよ。
そのときに、前にも同じようなことがあったのを思い出しました。
でも何と答えればいいかわからないでいるうち、
やっぱりオバサンはスタスタ行ってしまったんです。
もうおわかりでしょう。その日は一日中さんざんな目に合いました。
精神的にはズタボロになって家に戻ったんですが、ケガがなかったのがせめてもの救いで。

同じようなことが、だいたい1か月おきに、もう2回ありました。
全部、朝に同じ交差点の場所でです。「貸してください」って言う人と、
話をしちゃいけないってのも何となくわかったんですが、
前の時から間隔があいてるんで、名前を呼ばれたり、
「あ、ちょっと、ちょっと」って言われると、とっさに何か受け答えしちゃうんです。
でね、その度に理不尽としか言いようのない不運が襲ってくるんですね。
でも、不運なのは1日だけだし、身体的なことには及ばなかったので、
今にして考えれば、法則みたいなのがあったのかもしれません。
ああ、あとその後もう一回、同じ場所で背中から「ちょっといいですか」
って呼ばれたことがあったんですが、
そのときはさすがに事態が飲み込めてましたから、無視して返事しませんでした。

で、それでこの奇妙なことは終わったんです。
結局、男2人女2人の計4人分、つまり4日間、不運な日があったってことになります。
いや、特に人に相談するとかなかったですね。
偶然と言われればそれまでだし、実際、偶然かもしれませんでしたからね。
あと何事もなかったので、このことはいつの間にか記憶から消えてました。
それから8年の年月がたって、僕は今、大学生で別の県に出てるんですが、
今年の1月に成人式があって地元に帰ってたんです。
式は昼からで、会場に向かおうと徒歩で実家を出て、
あの交差点で信号待ちしてたときに、「○○さんですね。お久しぶりです」
って後ろから女性の声がしました。
振り返ると、4人の人が横に並んでニコニコ微笑んでたんです。

初めは知らない人だと思ったんですが、その中央の声をかけてきたおばあさんが、
きんきらした服装で、しかも金のネックレスや指輪に見覚えがあったんで、
ふっと、一気に小学校のときの記憶がよみがえってきたんです。
サラリーマン風の男の人が、
「おぼえてらっしゃいますか、あの時のこと。いや、ほんとうに助かりました。
 あなたに運を少し分けてもらったおかげで、今でも会社は続いてます。
 ありがとうございました。今日は借りたものをお返ししに来たんです。
 □□スーパー前の宝くじ売り場で、今年の年末に宝くじ10枚を買ってください」
こう一気に早口に言いました。いや、なんと答えていいかわからなかったです。
黙ってたら、もう一人の女の人が、「それと、一人あなたを恨んでる人がいますから、
 お気をつけて」こう言ったんです。

そのとき信号が変わったんで、歩き出しましたが、
その人たちは歩道にならんだままで、
いっせいにこちらに向かって深々とお辞儀をしたんですよ。
まあ、こんな話です。え、宝くじですか。もちろん言われたとおり、
地元に戻って□□スーパーの前の売り場で買おうと思ってます。
4億円といいたいところですが、子供の頃の不運は、
今にして考えると他愛ないことでしたし、10万円でも当たれば満足ですよ。
ただ・・・最近ですね、送信者のわからないメールが来るんですよ。
内容は「お前のせいで お前のせいで お前のせいで・・・」の繰り返し、
着信拒否にしてますけど、これは警察に連絡したほうがいいでしょうか。
みなさんはどう思われますか?







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