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幽霊は物理的か

2015.03.16 (Mon)
・・・ということで、前にも似たようなことを、
「幽霊は何ができるのか」という項で書いています。
ネタ不足のため、やや内容が重複していますが、
あれを書いたのはだいぶ前ですので、少しは考えが固まってきました。
本題は、「幽霊は物理的だと面白いか」というのを縮めたものです。
自分が怖い話を書く上で、自分なりのこだわり、というかルールを設定しています。
そのうちの一つが、できるだけ幽霊には物理的な行動をとらせない、
というものです。ただし、それほど厳密に扱っているわけではありませんが。
あと、幽霊ではなく、妖怪、宇宙人、悪魔などによる怪異、
あるいは呪い、魔法などの話の場合はまた別です。

まず物理的な行動というのはどういうものかというと、
例えば「心霊スポットに行って笑い声を聞いた」というのは、
幽霊の物理的な行動でしょうか。音というのは空気の振動、
つまり音波という波が発生したということですよね。
そう考えれば、物理現象であるわけですが、これはもしかしたら登場人物が、
「笑い声を聞いた」と思っただけかもしれません。
それ以外の人も一緒に聞いている、という場合でも、
全員が一斉に「聞いた」と思ったのかもしれません。
ですから、これは自分では「あり」としています。

次に、これもよく聞く話ですが、
心霊スポットに車で行ったら「車に手形がついていた」という場合はどうでしょう。
「手形がつく」ということは、
幽霊の手のひらから皮脂などが出ていてそれが付着した、
または幽霊の手によって、ホコリなどが拭い取られたということになるでしょう。
どちらにしても、車に手形が残っているということは、
物理現象が起きてしまったという証拠で、後で見たら消えていたとしない限り、
「手形がついているのを見たと思った」は通用しないですよね。
ですから、「幽霊に物理的な行動をとらせない」というルールにしたがって、
自分はできるだけそういうシチュエーションは書かないようにしています。

理由は・・・そうですね。幽霊に物理的な行動がとれるとなると、
話が何でもありになってしまって、底浅くなってしまう気がするからです。
例えば「幽霊が首を絞めてきた」「幽霊がバットで殴ってきた」
「幽霊が拳銃で撃ってきた」これだとギャグになってしまうんじゃないでしょうか。
それと、幽霊にそういう行動ができるのなら、逆もまた可かもしれないです。
物理には作用反作用の法則もありますし。
つまり「幽霊を平手打ちする」「幽霊を投げ縄でつかまえる」とか。
まあ、そういう世界観になってしまうのを、
避けるための制約といってよいかもしれません。
自分の話では、たくさんの方が亡くなっているのですが、
自殺したり、衰弱死したり、事故だったりで、
直接幽霊に殺された、というような話はほとんどないはずです。

そのほうが話に深みが出る気がします。
部屋に幽霊が訪れてきて、登場人物と向かい合ってお茶を飲んだ。
この場合、お茶が減っていれば物理的な作用ですが、
幽霊が飲んだとするより、幽霊が飲んだと思っていたが、
実は主人公が無意識のうちに自分で流しに捨てていた、としたほうが、
なんだか怖い感じがしませんか。
さらに言えば、幽霊などというものは主人公のまったくの想像で、
実は少しずつ狂気の淵に落ちていっている、というふうに読むこともできるのです。
 
ある人が幽霊にとり憑かれた、幽霊が見えと言っている。
しかし他の人には、それが本当に霊によるのか、
それとも徐々に表出してくる登場人物の精神病理なのか、厳密な区別はできません。
このあたりが現代怪談の不気味さではあります。
まあしかし、その手の話だけではバリエーションが限られてきますし、
読まれる方のフラストレーションも溜まるかと思います。
そこで、どこかに「これはやはり心霊現象として考えないと説明がつかない」
という部分を仕掛けておくとよいでしょう。
理詰めでも、心霊オカルトとしても解釈できそうだけど、
ある部分があるために、オカルト解釈のほうが勝ってしまう・・・
そういう話を書くように心がけているのです。

『飽食のセイレーン』ギュスターヴ・アドルフ・モッサ






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コメント
こんばんは

曖昧な感じを残すことで、想像力のほうに訴える
という解釈でも良いのでしょうか?
今回のお話は、とても勉強になります(^^)
それにしても、創作されるのは、たいへんな労力が
必要なのですね。
私は、それが出来ないので^^;
脈絡のない雑談調になりますけれど・・・w
ポテチG♯ | 2015.03.17 00:58 | 編集
コメントありがとうございます
自分が書いたのは、あくまでも自分流の「怪談」についてで
これが「ホラー小説」だと、
もっとしっかりした筋がないといけないかもしれません
bigbossman | 2015.03.17 23:08 | 編集
 「物理的か」とは少し違いますが、「実体化しているか否か」は幽霊と妖怪を分ける大きなポイントかと思います。特に、私の大好きなゲームの世界においてはかなり需要です。物理攻撃が当たるか当たらないかの瀬戸際ですからw
 いや真面目な話、実体のある幽霊は「幽霊という名前の妖怪」なんじゃないかと・・・ほら、鬼太郎も「幽霊族」ですし。
| 2015.03.17 23:26 | 編集
コメントありがとうございます
確かにロールプレイングゲームとかだと
幽霊(アンデット系)は神官でないと祓えないとか
ありますね
bigbossman | 2015.03.18 00:07 | 編集
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