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聞いた話2

2015.04.10 (Fri)
このブログは基本的には創作怪談で、一人称の語りなんですが、
今回は自分が知り合いから聞き集めた話です。
ただまあ、自分の周辺の人は映画や音楽、雑誌の編集など、
創作に関わる人が多いですので、
必ずしも本当にあったことであるという保証はできません。

某中高年ファッション雑誌の編集者Fさんの話

このFさんというのは極めて珍しい漢字を使う名字で、調べてませんが、
もしかしたら日本でFさんの親戚一族しかないのかもしれません。
出身地は伊賀や甲賀ほど有名ではありませんが、
当地の大名に仕えた素破(忍者)が住んでいた里なんだそうです。

Fさんがまだ小学校の中学年だったころ、
正月に奥の谷に住む一族の本家の家に年始のあいさつに行ったときのこと。
幼児から高校生までの親戚の子どもが十数人来ていたんだそうです。
Fさんの同年輩だけでも4人ほどいた。
その子らと広い屋敷にたくさんある座敷の一つで遊んでいると、
急にフスマが開いて、見たこともない子が出てきたそうです。
その子はFさんらより少し年配くらいで、
正座をした状態で両手で畳を漕ぐようにして中に入ってきた。
Fさんは、「初めて見るけど、遅れてきた親戚の子だろう」
くらいにしか思わなかったそうです。

その子はFさんらに目もくれず、
座敷の床の間へいざってゆくと、縦長の花器を両手で持ち上げ、
その中に、声も上げずに嘔吐し始めたんだそうです。
その間、その子は苦しそうに顔をゆがめるということもなく、
涼しい顔をしていたそうです。そして吐き終わると手でくるんと体の向きを変え、
また入ってきたときのように、正座の姿勢でフスマから出てぴたりと閉めました。
Fさんたちが「おおい、だいじょうぶ?」などと言いながらフスマを開けると、
そこには誰もいなかったそうです。
そこは座敷が縦に並んでいる場所だったそうですが、
次の間のフスマもぴったり閉まったままでした。

それで、不思議だなあと思いながら花器のほうをのぞくと、
吐いた物はなくて、そのかわり白い玉が一個入っていたんだそうです。
花器は重かったので畳の上に運んで横にすると、
その玉がふわーっという感じで中から出てきて、
転がるというよりも風に飛ばされるという様子で動いて、
閉めていた障子にぶつかって消えたそうです。
夕食で、親族一同が集まった中にはその子はいなかったということでした。
それから5年ほどして、そこの旧家があまりに古く危険になったので、
改築をするということになりました。

Fさんは中学生になっていて、改築途中の家に父親とあいさつに行き、
父親が話をしている間ヒマなので、庭に出ていたら、
工事の人たちが入っている棟の屋根のあたりから、
前に見たのと同じくらいの大きさの白い玉が、
いくつもいくつも宙に舞いあがっていたんだそうです。
Fさんは、「このときのことは自分一人しか見てないから、
 何かの錯覚かもしれないと思うけど、花器に吐いた子のことは、
 後で聞いたら、その場にいた親戚の子たちはみな覚えていた。
 ただ、白い横顔は鮮明に記憶してるけど、
 その子の服装を覚えてるのは誰もいなかったんだ」こう話してくれました。

元 某テレビ番組製作会社のディレクターMさんの話

このMさんはかなりのベテランで、
30年近く前に心霊番組を何本も作っています。
その中で、ある海岸沿いの廃屋になっている食堂にロケをしにいったとき、
某テレビ局近くの駐車場に9時集合になっていたのに、
時間になってやってきたのがアシスタントディレクター1人と照明さんだけ。
カメラマン、音響などのスタッフはもちろん、
タレントもマネージャーも来ない。

Mさんは自分らが場所を間違えたのかと思って連絡したら、
そうではなく、皆がいろいろな事情(急に鼻血が出て止まらなくなった。
車が故障した。実家の親が雨漏り修理中に屋根から落ちた)
などの理由で、来られなくなっていたということでした。
メイクの人などは、そこに来る途中の電車で、
人身事故が起きたために遅れてしまったのだそうです。
これはさすがに確率的にありえないですよね。

結局その日のロケは中止せざるを得ず、
そのうちに番組そのものが諸事情でなくなってしまいました。
その後も、その廃屋の話が仕事に関わってくるとよくないことが起きる。
例えば、ある出版社の資料室がその廃屋の写真を持っているということで、
借りにいくことになっていた前日、
Mさんのマンションの部屋でボヤを出してしまったんです。
奥さんがフライパンの油に引火させてしまったということでした。
天井が焦げた程度でしたが、報知機が作動して消防車が来たそうです。
で、翌日になって出版社から写真が見つからないという連絡が来ました。

出版社のほうでは、Mさんに渡すために封筒に入れて準備していたそうですが、
その封筒ごとなくなってどこを探しても見つからない、
スマン、ということだったそうです。
「俺はそこの地方の出身でもないし、個人的には何の関係もない。
 それなのになぜこういうことになるのかよくわからないが、
 俺に来させたくないとしか考えられないな」と言ってました。
ちなみにその廃屋は今でもあるはずです。
廃屋のある海辺の町全体が過疎になって、さらに年月を重ねて、
「きっといい味の廃墟になってて、絵的にばっちりだとは思うんだが、
 また火事とかになってもねえ」こう言ってました。

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コメント
お邪魔します。
r-and-g.comのReReです。

前半のお話の玉の正体がすごく気になりますね。
何か幻想的なお話なような気もしますが、やっぱり子供の時って
大人は見えないものがみえたりするんでしょうかねぇ・・・
ReRe | 2015.04.11 20:34 | 編集
コメントありがとうございます
話をした人は発泡スチロールをコンクリの壁にこすって
削って丸くしたような玉と言ってました
bigbossman | 2015.04.12 01:30 | 編集
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