虫の知らせ系

2015.05.14 (Thu)
自分は創作怪談をこのブログでメインに書いているのですが、
それとは別に、身近な人、あるいはたまたま乗ったタクシーの運転手さんなどから、
実際にその人の身に起きた不可思議な出来事を聞き書きして、
収集しています。そういう中で、
最も多い傾向にあるのが、「虫の知らせ」系の話です。
つまり、身近な人や知り合いが亡くなる前に夢に出てきたり、
あるいは実際に仏壇の茶碗が倒れたりした後、
病院から親戚の訃報が届いたなどという話ですね。
これは例えば「神社の裏の繁みで宙に浮かぶ生首を見た」w など、
「~を見た」系の話とは比較にならないほど多いのです。

では、こういうこと・・・死期の迫った人、またはその死の瞬間に、
魂が抜け出して自分の死を親戚や知人に知らせて回る、
などのことができるものなのでしょうか。
まあ、できるのかもしれません。実際に多くの証言があるうえに、
絶対できないということは証明できませんから。
ただ、これについて面白い確率の試算があるのでご紹介します。
これを問題提起したのは、心理学者の菊池聡氏(信州大学)で、
たしか『超常現象をなぜ信じるのか』という著書ではなかったかと思います。
氏はまず、このような仮定を立てました。

① ある人の夢に出てくる可能性のある人は約 100人
② その人を今後50年に1 度だけ夢に見る
③ 50年後には半数の人は亡くなっている

あくまでこれは仮定ですので、細かい部分は気にしないでください。
それで計算ですが、

A ある特定の夜に知り合いの中の特定の1人の夢を見る確率は、②から、
 1/365 × 50 = 1/18250
 これは、単に1年の日数に50年をかけた答えの逆数です。

B その特定の夜にその人が亡くなる確率は、③より
 (1/365 × 50)× 1/2 = 1/36500 
 50年で半数が亡くなるわけですから、Aにさらに1/2をかけます。

C ある特定の人の夢を見て、その夜にその人が亡くなる確率は、
  A × B =(1/18250)×(1/36500)= 1/666125000

D その日に知り合いの誰かが亡くなりその夢を見る確率は、
 知り合いは100人なので、
  1/666125000 × 100 = 1/6661250

となります。どうでしょう、この数字だけを見るとかなり低い確率に見えますよね。
ところが日本人全体だとどうなりますか。
日本人全体のうちでこの計算の仮定にあてはまる人(子供は知り合いが少ないし、
老人は知り合いが死ぬ確率が高いので除外)を8千万人とすると、
ある1日にDのようなことが起きる人は、
1/6661250 × 80000000 ≒ 12  
12人いることになります。
さらに1年間でこのことが起きる人は、365日をかけて、
12 × 365 =4380人 となります。

どうでしょうか。ある夜、知り合いの夢を見て、
すぐにその人が死んだことを知った経験のある日本人は、
1年の間に4000人以上にのぼるわけです。
この計算は、仮定の部分をいじくれば、
他の内容の予知夢にもあてはめて考えることができますが、
例えば飛行機事故などであれば、
そもそも飛行機の大事故が起きる確率自体が低いので、
予知夢を見てあたったという人はずっと少なくなりますね。
また、知人のうちの誰かが病気で入院しているなどの情報を得ていた場合、
その人のことを気にかけて夢に見ることは多くなるでしょうから、
この試算はあてはまりません。

では、夢ではなく、実際に時計が止まったり、
飾っている先祖の写真がずれたりして、
その後に知り合いが亡くなったことを知ったなどという場合はどうでしょう。
これは、常ならぬことというのは、
日常では実はさまざまに起きているのだと思われます。
たとえば、玄関で呼び声がしたが出て行ってみると誰もいなかった。
これはもしかしたら、
近所の人の声がたまたま聞こえてきただけかもしれません。
ですから、その後に何もなければ忘れ去られてしまいます。

ところがその後、知人の訃報を知らせる電話などがあったりすれば、
その玄関の呼び声と、知人の死が、
「玄関で誰かの呼んだ声が聞こえて、そのすぐ後に○○さんが亡くなった」
と結びついて語られてしまうことがあります。
さらには「○○さんの声が玄関で聞こえて、その後すぐ死の知らせが届いた」
のように変化してしまうことも考えられなくはありませんね。

最近、「デジタル時計のゾロ目が出てるのを見ることが多い」
こういう話が出てきています。
これは体内時計などのさまざまな要因が考えられますが、
一つには上記したようなことがあるのではないでしょうか。
例えば無意識に時計のある方向を見て、文字盤が視界に入る。
そのとき時計が4:28とかだったら、まったく意識に残らないが、
3:33であれば「あっ!」と記憶に残ってしまう。

これがすべてということはないでしょうが、
ゾロ目を見るということを意識する人ほど、この現象は起きやすくなります。
特別なことだと思っているから意識にとどまるんですね。
実際には3:33と3:34は特別な違いはないのに、
人間はどうしても、何か意味があると考えてしまいがちなのです。
もしゾロ目を見るということが、何かの啓示だとしたら、
もっとわかりやすいというか、
意味のある形で知らせてくれてもいいように思いますね。

『ハラノムシ』






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コメント
まあ、わたしとしてみれば、予知夢なんてものがあれば、あの3月10日夜の時点で発動してほしかったものであります。

シンクロニシティにしても、わたしの体験として「ミクシィで地震ネタの記事を書いた次の日」に3月11日が来た、ということがありますが、それも単なる確率で説明がつきますし。(地震のネタはさんざん書きましたから)

うーむ。
ポール・ブリッツ | 2015.05.17 17:50 | 編集
コメントありがとうございます
自分は占い師のはしくれなんですが、
こういう仕事をしていると、相談者の方には
「自分が聞きたい話、期待する占いを言ってほしい」
という人が実に多いんですね
何事にも、自分というものが入ると
当たり前ですが客観的な判断が難しくなるようです
bigbossman | 2015.05.17 23:43 | 編集
なんでも聞いた話では、「コールドリーディング」を使うと明言している人のもとに、「コールドリーディングしてもらいにくる客」がわんさかいて、コールドリーディングで自分の氏素性を明らかにしてもらって、「当たってる!」と感激して満足して人生相談して喜んで帰るというんですから、世の中よくわからないものですね。

そんな中で占い師として誠実に生きるのはさぞやたいへんだろうと思います……。
ポール・ブリッツ | 2015.05.18 16:53 | 編集
コメントありがとうございます
まあ、自分の場合は人の反応によって
言うことを変えるということはありません
自分はカウンセラーではないし、人生相談とも違うし
素人療法のようなことになっても・・・
一種のおみくじ機械みたいなものです
bigbossman | 2015.05.18 23:53 | 編集
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