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実話系の話

2015.06.07 (Sun)
これは自分も少しだけ関係がある実話系の話です。
ただし、自分は怖い目には遭ってないですが。

スポーツジムのインストラクターをしている女性、Mさんから聞いた話です。
彼女は温泉巡りが好きで、連休などには、
車を飛ばしてあちこちの温泉に出かけてるんです。
そこの場所は書けないですけど、かなりの秘湯の部類に入るところです。
女性のインストラクター仲間の一人と、夏休みに2泊したんだそうです。
アルカリ系の温泉も、山菜と川魚中心の食事も大満足だったそうですが、
トイレがけっこう微妙でした。というのは、そのあたりは山間地で下水道がなく、
トイレも杉板造りの古めかしいものだったんですが、
便器だけが真新しいウォシュレット式だったんだそうです。

宿の人に聞いたところ、ずっとぼっとん式の便所だったのが、
女性客が多くなって不満が聞こえるようになったため、
そこだけ改装したということでした。
「ま、周囲の環境にそぐわず、ウォシュレットの西洋便器が
 浮いてる感じがしたってことだけど、これがぼっとん式なら、
 それはそれでたぶん文句言ったでしょうね。客ってぜいたくなものよね」
こんなことを言ってましたが、わかる気がします。
で、宿泊は一棟ずつ別になった離れで、囲炉裏が切ってあり、
風情は最高だったそうです。ただしトイレは独立した棟で、
そこまで歩いていかなくちゃならない。

でも、そんなことは気にせず地酒を好きに飲んだので、
夜中にトイレに行きたくなって起きてしまったそうです。
スマホで時間を見ると2時を少し回ったあたり。
相方はぐっすり寝てるし、
トイレに行くのが怖いからといって起こすわけにもいかない。
トイレまでは部屋を出て、冬場の雪対策に、
板戸を張って屋根をかけた細い通路を通っていきます。
ですからそんなに怖いわけでもなかったそうですが、
いざ個室に入って便器に座ると、やはり気味悪くなってきました。
トイレ自体も、江戸後期からある建物を明治になって改装したもので、
壁板は長年磨かれて黒光りしてる感じです。

横手の板を見てると、親指を縦に2本並べたほどの、
大きな木の節があるのに気がつきました。その上部が少し欠けていて、
外の闇が見えたそうです。それで、
ああ、この節がもしぼろっと抜けたりしたら怖いだろうなと変なことを考え、
そしたら目が離せなくなってしまった。で、立ち上がろうとしたとき、
本当に節がぼろっと抜けたんだそうです。
「きゃー」と絵にかいたような叫びをあげて立ち上がると、
その穴から、たぶん人さし指が一本突き出てきて、くいくいと動いたんだそうです。
Mさんは女子柔道出身ですから、叫びはしたものの、
気丈に閂を外してバーンと戸を開けたそうですが、外には人の気配はまるでなし。

「近くの藪に逃げ込んだとしても、何か音とかするでしょ。それが、
 シーンと静まり返ってたのよ」こんな話を聞いたんです。
自分は「えーでも、変質者って考えたほうがいい気がしますけどねえ。
 他の宿泊客はどうだったんですか」こう尋ねたんですが、
「私たちの他は年配の方ばっかりだったし、それより、
 トイレの中に突き出された指が真っ赤だったのよ」
「真っ赤?」 「ええ、ペンキに浸したような赤い色、
 少し見えてた手のひらの他の部分もそうだった」
で、この話の後に、デジカメで山を撮った写真を何枚か見せてもらったんですが、
そのうちの2枚、8月の夏真っ盛りの山だったんですが、
雑木林の上に、ぼうっと赤く光る部分が何箇所かかぶさってたんです。

まあでも、自分はカメラは詳しくないのでわかりませんが、
何かの機械の不具合だろうと思いました。
赤い指のほうも、こう言っちゃなんですが、慣れない旅先という環境で、
お酒も入っていて、節が抜けたのは事実かもしれないけど、
赤い指は、見えた気がしただけなんじゃないかと思いました。
もちろんこれは、本人にはそうは言わなかったですが。
でね、この話には後日談があるんです。
これはMさんとはまったく関係のないことです。

その日、自分はある旅行ガイドムックの編集部を訪れてまして、
コーヒーをいただいて、だべったりしてたんですが、
温泉ガイドでMさんが行った温泉の入るページを、
使ってないパソコンで見せてもらいました。前の話のことが気になってたからです。
そこを開いたら、露天風呂の写真が真っ赤に見えたんですよ。
「何これ、この写真失敗してるんじゃない?」
「えー、どれ」で、見直してみたら何でもなかったんです。
雪の積もった中で、湯がもうもうと上がってる白っぽい写真でした。
「あれ、あれれ・・・」おそらく照明等の関係だったんでしょう。
この3日後に、念のため眼医者にも行ったんですが、特に異常なしでした。

この1年以上後のことです。自分もそこの温泉に宿泊する機会がありまして、
男子トイレのほうもウォシュレットでして、ははあ、このことだなと思いました。
女子トイレで、節穴が抜けている部分があるか確かめたかったんですが、
さすがにそれは言い出せなかったです。
一人旅だったので、同行者に頼むということもできませんでした。
でね、夜中にわざわざトイレまで行ってみたんですが、おかしなこともなし。
写真もたくさん撮りましたが、赤い色が入ったものはなかったです。
これを残念と言うのは変なんでしょうが、
温泉旅館としては大満足の宿でしたね。








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