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実話系の話3

2015.06.24 (Wed)
派遣社員のOさんから聞いた話

0さんは30代の派遣会社の女性社員です。
8年前、大手の塾・予備校へ派遣され、期間は2年ということだったそうです。
そこは、8階建てのビルの7つの階に入ってて、
幼児から大学受験生までが通ってくるところでした。
Oさんの仕事は1階の受付担当で、1日6時間の3交代のシフト。
キツイ仕事ではなかったそうです。生徒が受付に寄ることはあまりなく、
教材業者への対応などが仕事の中心だったようです。
勤務は午前のときも夜間のときもあったそうです。
受付のカウンターから右手に、地下へ降りる階段があり、
階段の横が鉄壁になっていて、そこにやはり分厚い鉄製のドアがついてました。
最初に見たとき、変だなと思ったそうです。

なぜかというと、その階段に行くにはべつにドアを入る必要はなく、
ドアの横、数十cmの通路をそのまま通ってくればいいからです。
それと、ドアノブの鍵をかけるポッチ、鉄壁との境目にも、
かなりの長さにガムテープが貼ってあるのも奇妙に思えました。
気になっていたので、シフトの交代時に先輩に聞いたところ、
そこは火災時に防火シャッターが下りる構造になっていて、
そのときには煙の充満を防ぐため、ドアから出入りする。
ガムテープは、訪問客や生徒が知らずに開けて、
前にいた人にドアがぶつからないようにするためのものだったんです。
緊急時にはガムテープをはがして出入りすればいいわけです。
それを聞いて「何だ、変なことを気にしてバカみたい」と思ったそうです。

こういう構造は学校などでは珍しくないそうです。
それでも最初のうちはなんとなく気になって、
ドアのほうにちらちら目をやっていましたが、1週間ほどでそういうことはなくなりました。
2ケ月ほどたった4時から10時までの夜間シフトの日のことでした。
塾の生徒はだいたい9時20分ごろには帰り始めて、
10時まであと10分ほど、人気がなくなったところで帰り支度をしていて、
ふと何気なくそのドアのほうに目をやると、
ガムテープがはがれて床に落ちていました。貼り直そうと近づいていくと、
背筋にぞくぞくっと寒気が走ったそうです。ちなみに時期は、
まだ残暑の厳しい9月のことでした。
嫌な感じがしたので、通路から鉄壁の向こうを見たんですが誰もいません。

戻ってきてガムテープを拾い上げ、元のように貼ろうとしたんですが、
粘着力が弱まってるのかはがれ落ちてしまいます。
顔をあげ、ティーチャーズルームに取にいこうとしたとき、
ポッチの鍵がかかってるはずなのに、急にガチャリとドアが開きました。
小学校高学年でしょうか、全身に血をかぶった、
頭からガラスの破片の突き出た子どもが、Oさんをうつろな目で見上げ、
「・・・勉強したい」と言ったんだそうです。
Oさんは悲鳴を上げ、ティーチャーズルームに走り込むと、
まだ数人講師の先生が残っていました。Oさんから話を聞くと顔を見合わせ、
一人が「験力が切れたんだな」そう言って出ていきました。
数分でOさんが取り落としたガムテープを持ってくると、

重なっている部分をはがし始めました。きれいにははがれませんでしたが、
中からは神社の御札らしいものが出てきたそうです。その先生は、
「あれは可哀そうな子でね、しばらく前に隣のビルが火事になったんだけど、
 そのとき上から落ちてきたガラスが直撃して亡くなった、うちの生徒なんだ。
 そんときは用心のためにうちも防火体制をとってシャッターが下りてた。
 あの子は、ドアの前までたどりついて出血多量で亡くなったんだよ。
 それから・・・いまだにうちで授業を受けなきゃと思ってるらしくてね。
 通路のほうは閉まってるように見えるんだろう、あのドアからしか入れない。
 御札はときどき新しいのをいただいてきてガムテープに重ねて貼ってるんだけど、
 あんまり長くはもたないみたい」こんな説明をしたそうです。ちなみにOさんは、
 派遣期間終了まできちんとそこを勤めあげたそうです。

大型バス運転手のNさんから聞いた話。

Nさんは今はもう定年退職していますが、
4年前話を聞いたときはまだ現役の運転手で、
仕事は路線運行ではなく、貸し切りバス中心でした。
学校の遠足や部活動の遠征、老人会の旅行・・・そういうやつです。
宿泊を伴う場合が多いんだそうです。そういうとき、旅館やホテルでは、
運転手専用の部屋があるんですが、そこに泊まることになります。
これが、旅行会社の添乗員用の部屋よりさらに程度が落ちる場合もあって、
「まあね、寝られさえすればどんなとこでもいいんだけどね。
 運転のために睡眠はしっかりとりたいんだけど、そうもいかない場合もあってね」
「どういうことですか」と聞くと、「出るんだよ。そういう話が聞きたいんだろ」
「ええ、ぜひ」

「あれは7、8年前かな。地元の高校のラグビー部の遠征で関西方面に行ったんだよ。
 修学旅行と違って、こういう遠征は費用を切り詰めてることが多いから、
 宿も粗末な和風旅館でね。俺に回ってきた部屋は、
 4畳半でそのうち半分が物置になってた」
「はあ、怪談にはおあつらえ向きの環境ですね」
「まあね、でも、俺にすれば何もないのがもちろん一番だから、
 部屋の中をざっとは調べたんだよ」 「御札とかですか」
「そうそう。押入れの中を見たが、これが布団が詰まっててどうにもならない。
 ベッドじゃないし、掛け軸とか絵もないからね、あきらめて飯食いに行った」
「でね、少し酒を入れてきて、あとは風呂に入って寝るだけ。
 部屋にはもう布団が敷いてあって、電燈の真下のところ、

 ちょうど目の前にスイッチのひもが下がってたね」
「そこは古い旅館なんですか?」
「築4、50年ってところかなあ。でも、廊下なんかよく磨いて板がぴかぴかだったし、
 風呂も悪くはなかった。全体の雰囲気はね、出そうな感じはなかったんだけどね」
「わかるんですか」
「何となくね。そういうところは、いくら照明を増やしても薄暗いんだよ。
 それに肌寒い・・・だけど、そんなことは感じなかった」
「それで、どうなりました?」
「すんなり寝入ったんだが、夜中に目が覚めた。そういうことはあんまりないんだ。
 職業柄水分を控えてるし、トイレに行きたいわけでもない」
「それで?」 「うん、天井にいた」

「何がです?」 「40歳くらいの男の幽霊だろうな。逆さに天井にはりついてるんだよ。
 蜘蛛みたいに。で、顔を下に向けて俺を見てたな。ただ・・・目つきは、
 恨めしいとかそういう感じじゃなかった。ただ見ている・・・みたいな。
 こっちに興味を持ってるとも思えなかったし」 「で、どうしました?」
「いや、そのまま目をつぶってお経を唱えながら寝たよ。
 俺は運転手で客じゃないから、迷惑かけられんし」
「はあー。お経は暗記なさってるんですか?」 「般若心経だけだけどな」
「そういう体験はよくなさるんですか?」
「よく、ってほどでもない。1年に数回、ない年だってあった」
「でな、翌朝になって、朝食前に番頭にはちらっと話したんだよ。
 あの部屋いたぞ、御札貼ったほうがいいんじゃないかって。

 そしたら番頭は、もう貼ってありますよ。そう言って俺を連れて部屋に戻った。
 で、部屋にあった茶箱を踏み台にして、電燈のカサの上を見せたんだ。
 そしたら丸い厚紙がカサの上にあって、それで上部が透けて見えないようにしてあった。
 でよ、長方形の紙が2枚貼ってあった」 「御札ですか?」
「一枚はな。もう一枚がなんだと思う?」 「わかりません」
「これが給料袋なんだよ。その幽霊は自殺した従業員で、
 まだ給料が銀行振り込みじゃなかった頃の話だ」 「給料袋・・・」
「自殺なんだから、旅館に恨みもあったかもしれんが、
 そいつの名前入りの給料袋見せれば機嫌よくなるだろうって考えたらしい。
 実際、電燈のカサの上でうろうろしてるだけで、その部屋に泊まったやつに、
 悪さをすることはなかったって・・・」 「・・・・」



 

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