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実話系の話5

2015.07.02 (Thu)
首がのびる

これはかなり信じがたい内容なのですが、当事者であるKさんは、
たくさん目撃者がいるのだと強調して話していました。
ただし、この話はすべて彼が幼児の頃のものであり、
Kさん本人にははっきりした記憶がなく、
後に彼が成長してから家族に聞いたことなのだだそうです。
ですので、判断のほうは読まれる方にゆだねたいと思います。
ちなみに、Kさんはコンピュータのソフト開発会社に勤める30代の男性です。

人口30万ほどの地方都市に育ったのですが、両親は共働きであり、
当時まだ健在であった祖母といっしょにいることが多かったそうです。
いわゆるおばあちゃん子だったわけですね。
この祖母はたいへん信心深い人で、Kさんの家の近所、
数百mのところにあった神社にいつもお参りしており、
Kさんがまだ歩けない頃から、背中に負ぶって連れていくことがありました。
Kさんは、「さすがにその頃の記憶はありませんけど、幼稚園のあたりですかね。
 祖母に手を引かれて神社の境内を歩いていた覚えはうっすらあります」
こう話していました。幼稚園に迎えにいくのが祖母だったので、
その帰りなどに「おそうまき様」に寄ることが多かったようです。
大きな神社ではなく、古色蒼然としたものだったということでした。

Kさんは現在大阪ですが、今でも年に数度は、
そこの神社にお参りにいくようにしているそうです。
ですが、そこは神職が常駐しているわけではなく、
Kさんも詳しい由来などは知らないようだったので、
こちらのほうで「おそうまき様」というのを調べてみたんですが、
どうやら住吉大社の名もなき末社であるようですが、よくはわかりませんでした。
もしかしたら本来の御祭神は地元の神様なのかもしれません。
いまだにそこの市に現存しているようです。
この神社のことで記憶にあるのは、社殿の表に何枚かの奉納額があり、
それには奇妙な絵が描かれていたことです。
「首が伸びている人」の絵だったそうです。

といっても、妖怪のろくろ首のように不気味なものではなく、
一家の当主らしき人が、紋付袴姿で座敷にいて、
まわりを親戚一同が取り巻いている。
宴席であるらしく、一同の前には脚付きのお膳が並んでいて、
当主は片手に扇を持ち、自分の頭を下方から扇いでいるように見える。
当主の首はまもいのあたりまで伸びていて、顔には満面の笑み。
親戚一同もまた、その当主の姿を見て手を叩いて喜んでいる、
そんな絵柄だったそうです。ただしこの絵馬は、
Kさんが中学生の頃には取り外されて見られなくなってしまったということでした。
これが本当だとしたら大変珍しいものだと思います。
全国的にも似たような例を聞いたことがありません。

ただし、髪型・服装や座敷の様子からすれば、
それほど古いものではなく、明治に入ってからのものでしょう。
さてKさんですが、この絵馬同様に幼いころは首が伸びることがあったんだそうです。
どうですか、信じられるでしょうか。初めて起きたのはまだ幼稚園入学前、
3歳当になったばかりのことで、夜、両親が帰ってきた夕食後、
一人で居間の隅でブロック遊びをしていたのが、
急に立ち上がり、部屋の隅に向かっておじぎをくり返し、手をパンパンと叩いた。
母親が「どうしたの」と聞くと、「おそうまき様が来てる」との答え。
家族は、まあ普段よくお参りにいってることを思い出したのだろう、
くらいに考えていたんですが、その後急にぐずり始めたので、
寝室に連れていって寝かしつけたんだそうです。

その後、母親が様子を見にいってみると、豆電球一つつけた部屋に、
ゆらゆらと長い影が揺れていた。寝たままの状態のKさんの首がにゅーっと伸びて、
天井に髪をこすりつけていたんだそうです。仰天した母親が駆け寄ると、
首は縮んだとも見えなかったのに、Kさんは普通の姿ですやすや眠っていた。
こんなことがあったそうです。もちろん居間に戻ってきた母親の話を
父親は信じなかったし、母親も幻覚を見たかと半信半疑になりかけていたんですが、
祖母だけが「そういうこともあるだろう」と話したのだそうです。
翌朝、Kさんが起きたときに寝てからのことを聞いても、
何もわからなかったということでした。次がKさんが4歳のときで、
これにはたくさんの目撃者がいるのですが、みなKさんと同じ4歳児でしたので、
いまだにそのときのことを覚えているかはわかりません。

市内にある動物園に見学に行ったときのことです。
Kさんはキリンのフェンスの前に5,6人ほどの仲間の子らといました。
キリンのいるところは低くなっていたんですが、それでもフェンスはかなりの高さで、
園児たちのほうに寄ってきたキリンが、フェンスから頭をのぞかせたときに、
Kさんの首がするすると伸びて、キリンとフェンス越しに並んだということでした。
まわりの子どもらはあっけにとられていましたが、一瞬送れてワーワー騒ぎ始め、
幼稚園の先生が何事かと思って駆けつけたときには、
もうKさんの首は普通に戻っていました。ただ仲間の子らは「首、首、Kちゃんの首」
「にょーっと首がのびた」こう言ってしばらく騒いでいました。
Kさんの両親は、幼稚園の先生から後に電話があってそのことを知ったのですが、
前のことを思い出して、それこそ首をひねったということでした。

このときのことも、Kさんには記憶がありません。
最後に首が伸びたのは、Kさんが小学校に入学する直前のことです。
その日は母親と午後からバス停にいました。
小学校の入学説明会にで出かけるところだったのです。
Kさんはその日朝から元気がなく、そのときも、
道路のすぐわきのバス停の表示板にもたれかかるようにしていました。
バスが来たので、母親がKさんの手を引いてちゃんと立たせようとしたとき、
つかもうとした手が滑って、Kさんはバスが徐行して入ってくる車道に
後頭部から倒れかかりそうになったんです。そままだとスピードは出ていなくても、
車輪の下に入って命にかかわることになっていたかもしれません。
母親にはKさんの倒れていく様子がスローモーションに見えたそうです。

ところが、倒れながらの空中で、Kさんの首がひょんとバス停側に伸び、
「く」の字になりながら、差し出した母親の手の中に向かってきた。
母親がその頭を抱きとめると、
首が縮んで、Kさんの体全体が母親の手の中にあったそうです。
このときのバス停には他の乗客もいて、皆が目を丸くして驚いていたということでした。
このことがあって、母親は首が伸びるという事態を完全に信じるようになったのですが、
残念ながらというか、それ以後は今にいたるまで、首が伸びることはありませんでした。
これで話は終わりなのですが、一つつけ加えると、
このちょうど1年後、3月の同じ日にKさんの祖母が亡くなりました。
まだ60代前半だったのが、食事をしながら前に倒れて救急車を呼びましたが、
それっきり。脳卒中だったということです。






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