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霊能者の脳内を見る

2015.07.16 (Thu)


変な題名ですが、これも最新科学技術にかかわる内容です。昔から
5ちゃんねる掲示板の幽霊関係スレでは、幽霊の実在を示す方法の
一つとして、複数の霊能者が互いに意思疎通をせず、別々に
心霊スポットなどを視て、後に見たものについて証言してもらい、
その内容をつき合わせるという検証方法が言われていました。

この証言がもし、多くの点で一致するようであれば、
霊の存在に対する信憑性がかなり増すのではないかと思われますが、
どうしてやる霊能者がいないんだろう、というような話です。
これには霊能者?側からの反論もありましたね。

昭和を代表する霊能者 宜保愛子氏
キャプチャqqqe

霊能と言ってもさまざまなレベルがあり、うすぼんやり
(性別も服装もわからない)しか見えない人や、はっきりくっきり
見える人、霊の姿だけではなく、その霊の持つ情報までが
見えてしまう人・・・人によって能力がバラバラなんだから、
必ずしも同じものが見えるとはかぎらない、というものです。

例えていうと、一般の0感の人は視力なしということで、霊能者にも
視力0.3から4.0とかまであるので、視力によって夜空に
見える星の数が違うように同じには見えていない、というような
説明でした。なるほど、うまいことを言うなとは思ったんですが・・・

fMRI画像
キャプチャwwwe

fMRI(機能的磁気共鳴画像)という機器があります。人および
動物の脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する
方法の一つで、脳医学で使用される場合が多いんですが、
それ以外の分野でもさまざまな活用法が研究されています。

さて、これを使用して人間の脳内イメージを視覚化(映像化)できると
したらどうでしょう。ちなみに、fMRIによって見られるのは脳内の
血流の活動です。脳波や脳内の神経における電位差などは、
微弱すぎて現在の技術で捉えるのは不可能です。
fMRIで見ることができる血流信号(血流量や血液の酸素濃度)は、

簡単な図形ならほぼ可視化できる
キャプチャweq

神経ニューロンの活動状況とほぼ対応しています。最初のうちは、
今現在、被験者は横縞を見ているか、縦縞を見ているのかを
あてる程度のものでしたが、現在では、脳活動パターンをAIが
解析することで、被験者がそれまで見たことのない図形でも、
映像化することができるようになりました。例えば四角形を見たら、

脳のこの部分に血流が流れるといったデータが、十分な量蓄積され、
そこから類推できるようになったわけです。動画として再生も可能です。
つまり、もしこの技術が将来進んでいけば、実際に見ているものを、
その場で鮮明に映像化することができるようになるでしょう。

Movie reconstruction from human brain activity


最初の霊能者の話でいえば、霊能者Aが見ているものと霊能者Bが
見ているものを、突き合わせて確認することができます。
ただしこれには問題があります。この研究はさらに進歩を重ね、
なんと夢まで映像化することができるようになったんです。

fMRIの中で被験者に眠ってもらい、夢見と関係がある脳波パターンに
なったときに、被験者を起こして、何の夢を見ていたかを聞く
という方法で、夢の報告内容と、それに対応する脳活動パターンの
データを大量に収集しました。しかしこれ大変な実験ですよね。

複雑な映像はまだあいまいな感じ
キャプチャwer

特に被験者の方は寝たり起きたりの繰り返しで・・・ここで疑問が
出てきました。夢というのはもともと自分の脳が作り出している、
実際には存在しないない世界のことです。とすれば、
もしかしたら霊能者が見ている幽霊は、自分の脳内で
作り出した白昼夢(幻覚)である可能性もあるかもしれません。

関係あるような、ないような話を一つ。レム睡眠というのがあります。
レム睡眠というのは、身体が眠っているのに、脳が活動している状態で、
「金縛り(睡眠麻痺)」と言われる身体状況が起きるのも、このレム睡眠内
でのことです。脳は起きていると思ってるのに体が動かないので、
自分を押さえつけている落武者などのイメージを作り出してしまう・・・

キャプチャeeer

レムはREMで、急速眼球運動の略語です。体は眠っているのに、
眼球は眼窩内でせわしく活動している。この原因は数十年間謎とされ、
まぶたの内側を潤滑するため、脳を温めるため、脳幹からの刺激に
反応しているなど、さまざまな説が出されてきました。
ところが最近、フランス人神経学者らの研究で、どうやら、

「見ている夢の像を追うために眼球が追従している」ということが証明
されたようです。「レム睡眠行動障害」という病気の患者がいます。
この人たちは、レム睡眠中、普通の人のように体が麻痺しているのではなく、
眠っていながら実際に手や足、首が動くといった症例で、その人たちの
手足や体の動きと視線は、99%同期していたという内容でした。



さてさて、fMRIが進歩すれば(またはもっと進化した機器が出れば)
霊能者が見ている映像が、実際に感覚器である目を通し、視神経を経由して
脳内再生されているのか、それとも脳内だけの夢や幻覚のようなもので
あるのかは判別がつくでしょう。もし幻覚であったとしても、ああ、幽霊は
実在しないのか、とがっかりすることはありません。

複数の霊能者が事前の打ち合わせなしで、ほぼ同じものを脳内に
構成しているとしたら、それはそれで、幽霊は視覚情報としてではなく、
直接脳内にイメージを送り込んでくる、という結論に至るかもしれない
ですよね。さあどうでしょう、この研究がさら進展したあかつきには、
はたして協力していただける霊能者が出てきますでしょうか?




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