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実話系の話6

2015.07.20 (Mon)
早笑のじいさん

この間、高校の同級生と飲む機会がありまして、そのときに聞いた話です。
ただしこれも、また聞きのまた聞きなので真偽のほどは保証しかねます。
自分は関東某県の出身なんですが、今は大阪在住で、
そいつらと飲むのはかなり久しぶりでした。その席で、
「怖い話のブログやってるが、なかなかネタがなくて困ってる。怖い話知らんか?」
って話題を振ったら、みな「いい歳こいて何を・・・」って顔をしてましたが、
そのうちの一人、Kってやつが、
「そんなに怖いわけでもないけどな、俺の地元じゃたいがい知ってるんじゃないか」
そう言って聞かせてくれたものです。
ちなみに母校は県庁所在地にあり、Kは郡部から出てきて寮暮らしでした。
Kの地元の町には自分は行ったことがないんです。

Kが中学生のとき、夜に家族でテレビを見てたんだそうです。
ちょうど夏休みの時期で、心霊特集のような番組をやってたんですが、
どれも作りもの臭い写真や動画ばっかりで、
Kにはそういうことがあるとは思えませんでした。それで家族に、
「ねえ、こんなことって本当にあるのかなあ?」と疑問を発したんです。
そしたらKのじいさんが「うーん、死んでからのことはわからんが、
 死ぬ前の夢ってのはあるらしいぞ」こう言ったんですが、
Kには意味がわかりませんでした。
「それまだ死なないうちの、危篤とか臨終って段階の話のこと?
 だったらまだ死んでないんだから、夢を見るのも当然ありじゃないの?」
そしたらじいさんは「まあな、だけどそれが現実に起きたらどうする」

こうつけ加えました。ますます意味がわからなくなったKに父親が助け舟を出して、
「じいちゃんが言ってるのは、いわゆる虫の知らせってやつのことだ。
 ほら、死ぬ間際で病院に寝たきりの人が、親戚や友人など遠く離れた場所に
 姿を現して別れを告げるって話、聞いたことないか?」 Kが、
「ああ、それはある」と答えると、父親は今度はじいさんに向かって、
「早笑のじいさんの話だろ」って言ったそうです。
この「早笑」というのはその町の地区名で、「さわらい」って読みます。
そこに住んでいるじいさんってことですね。
当時から3年ほど前のことだったそうです。早笑のじいさんは70代でしたが、
長い間病気していて、市の病院で寝たきり。しかも容態が悪くなって、
今日明日かもしれないということで、家族や親戚が詰めかけていました。

それが、その早笑地区の氏神神社へ行く道で、
何人もの人がじいさんの姿を見かけたんです。
早笑のじいさんは帝国陸軍の軍服を着て、にっこにこ満面の笑顔で、
大きくて足を振り立てて、行進でもするかのように神社へ向かってたそうです。
このじいさんは、戦争で南方へ行ったそうなんですけど、
戦友がほとんど死んだ部隊から、奇跡的に生還してきたんです。
道端で農作業していた人たちが何人もその姿を目撃したんですが、
あまりの異様な様子と、あとは入院している事情を知っていたので、
誰も声をかけたりはしませんでした。ただ、一人物好きな若い衆が、
じいさんのあとをついていったんだそうです。この後は、その若い衆の話です。
じいさんは砂利道の参道までくると、急に四つん這いになり、

そのままの姿勢で、犬みたいに舌を出しながら鳥居をくぐり、
拝殿の前まで駆けていきました。若者の足でも追いつけないくらいの早さだったそうです。
で、拝殿の前へくると手水鉢のまわりを何度も回り、それから、
拝殿の鈴についた紐に飛びつくようにして、するするっと軒のあたりまで登り、
そこでぱっと消えました。若い衆が見ると、軒下には戦前に奉納された、
軍服姿の出生兵が描かれた絵馬が何枚も並んでいたんだそうです。
この後はお定まりの、じいさんがその後すぐ病院で亡くなったという知らせが届いた、
ってわけです。親戚や友人らの元へは現れなかったということでした。おかしな行動ですが、
じいさんはそういう末期の夢を見ていたんだろうって話になったんです。
この話が広まって、氏神神社の神主は得意そうな顔で、
葬式を出した寺の住職は苦い顔をしていたそうです。

引きにくる

これは同級生ではなく、仕事で知っている、
番組制作会社で撮影助手をしているYさんから聞いた話です。
Yさんは、カメラの専門学校を出て3年目のまだ若い人です。
Yさんの60代はじめのおばあさんが、十二指腸潰瘍で緊急入院、手術をして、
3ヶ月近くかかって退院しました。
一人暮らしだったんですが、自宅療養と通院があるため、
Yさんの母親が泊まりに行っていたそうです。で、退院して10日目くらいですね。
おばあさんが変なことを言い出した。
「さっき玄関にNさんが来て、金魚の水槽を覗きこんでたよ」って。
このNさんというのは、おばあさんと病院で同室だった人で、
かなり重篤な糖尿病だったそうです。

身寄りの少ない人で、見舞客を見かけなかったそうです。
Yさんの母親はNさんという方を見知っていましたが、
退院どころか、いかにも末期という様子で、訪ねてこられるはずはないと思ったそうです。
玄関に見に行ってみると扉は内鍵がかかっていて、
おばあさんが昔から飼っていて、かなり大きくなった金魚が一匹、
腹を出して水に浮き、死んでいたということでした。
その2日後、おばあさんを病院に送り届けたとき、看護婦室に顔を出して、Nさんが、
ちょうどおばあさんが玄関に来ていたと言った日に亡くなったのを知ったんです。
まあ、ここまでならよくある話ですが、その後の展開は様相が違うようでした。
さらに翌日、またおばあさんが玄関でNさんの姿を見かけたと言い出し、
金魚が一匹浮いていたんです。まあでも、これが何らかの怪異だとは思いませんでした。

金魚が死んだのは、長い間水換えなどで手がかけられなかったせいだろうし、
おばあさんがNさんの姿を見たのは、ボケの始まりかもしれないと思い、
むしろそっちのほうを心配していたんですね。
ところがです、その週末、夕方ころにYさんの母親がトイレに行こうとしたとき、
じっと玄関にたたずんでいる、裸足でパジャマ姿の人の影を見てしまったんです。
体は小さく縮こまって、髪もぼさぼさでしたが、
間違いなくNさんの姿に見えたそうです。心臓が止まるくらい怖かったそうです。
それで母親は、知人にかたっぱしから電話をかけて、
その手の霊障?に詳しい人を見つけて相談したんですね。
そしたら、Nさんは病院で話し相手だったYさんのおばあさんを引っぱりに来てるんだろう、
って言われたんです。つまり・・・あの世の道連れにってことです。

どうすればいいかさらに尋ねたところ、
お祓いもいいが、かえって恨みを買って事態を悪くすることもあるから、
Nさんの四十九日が過ぎるまでやり過ごすほうがいいだろうという話でした。
具体的には、Nさんはなぜか金魚に興味を持っているようだから・・・
幽霊になると、夢の中にいるように意味のある行動をとるのが難しいんだそうで・・・
それで釣ってみたらどうだろう、って助言されたんです。
で、水槽の水を全換水してきれいに洗い、前からいた金魚に加えて、新しい金魚、
ひらひらでカラフルなやつを、ホームセンターから10匹ほど買ってきて入れたんです。
相変わらずNさんの姿は3日おきくらいに目撃され、金魚も次々に死んでいって・・・
四十九日までいかず、30日くらいでNさんは姿を現さなくなり、
金魚が死ぬのも止みました。Yさんのおばあさんは、すっかり元気になったそうです。






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