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アレルギー

2015.07.24 (Fri)
話は2週間前にさかのぼります。親戚の伯母が亡くなったんです。
夫のほうの親戚で、86歳でした。その方は老衰ではなかったですけど、
大勢の家族に囲まれた穏やかな最期で・・・ 
ですから、今回のこととは関係ないと思いたいです。
私の地方では、最初に火葬をするんです。その後、お骨箱になってからお葬式です。
その火葬のときに、親戚が集まったんです。
私も主人と、三歳の息子を連れて出かけました。
それでお骨拾いがあるんですが、子どもにやらせるのはどうだろうって話が、
一同の中から出たんです。ええ、子どもは息子の他に何人か来ていました。
そうですね、地域でも来ていただいたお坊さんの宗派でも、
特に禁じられているわけではないんですが、怖がるかと思ってです。

少し話をした結果、お骨拾いは子どもには見せないで、
大人だけでやろうってことになりました。それで、その間、
中1の女の子に小さい子2人を見ててもらうことになったんです。
痩せていた方ですし、火葬の火の勢いもあるのかもしれませんが、
お骨はあらかた形が崩れた灰になっていて、拾える部分は少なかったです。
あと、こちらの地方では、お棺の中に10円玉を数枚入れるんですが、
それも溶け曲がっていました。魔除け、お守りになるとのことでしたので、
我が家で2枚いただいたんです。その後、火葬の順は午前中でしたので、
みんなでどこかでお昼ごはんを食べて解散しようって話になりました。
息子たちのいるところに戻りましたら、見てくれていた女の子が、
「さっき、〇〇ちゃん(息子のことです)の頭をなでていったおじいさんがいたよ」

と言ったんです。それだけじゃなく「なんか10円玉でなでてたみたい」とも。
変には思いましたけれど、息子の様子に特に変わったところはなかったので、
その場はそれで終わりました。なにか私の知らない、
縁起かつぎのようなことかと思ったんです。主人も特に気に留めませんでしたので。
その夜からですね。息子がしきりに目のまわりを気にして、
「かゆい、かゆい」って言い始めました。見ると顔の上半分が赤くなっていました。
それで翌日、皮膚科の病院に連れていったんです。
そこは、私が子どものころからやっているところで、院長はおじいさん先生ですが、
息子さんもいっしょに勤めてるんです。
「これは何かのアレルギーだね。薬を出しますけど、
 採血してアレルゲンの簡易検査もしてみましょう」

こう診断されまして、30分ほどかかったんですが、
その場では原因はわからなかったんです。
その検査でできる40種類くらいの物質ではないということでした。
さわったり掻いたりしないように言われて、内服薬と塗り薬をもらってきました。
症状は、顔の特に目のまわりが腫れてまゆの上下からじくじくした液が流れ、
それが眼窩で固まってこびりついているという感じでした。
それでも、内服薬を飲んでしばらくするとかゆみは治まったようで、すんなりと寝ました。
部屋に寝かせて、私は夫と明日の伯母の葬式に持っていくものの準備などをしていたんです。
11時ころでしたか。そろそろ寝ようか寝室を整えにいきました。
息子が先に寝てたので、小さい電気だけつけていたんです。
その明かりで。息子の寝顔がテカテカ光っていました。これは塗り薬のせいです。

早く治ればいいな、と布団をかけ直そうとしたとき、
息子ががばっと上半身を起こしたんです。両手を上げ、顔をかきむしり、
額の生え際から下に皮を剥くようにしてべりべりっと・・・
幼児の体に老人の顔が乗っていました。老人は骨ばったいかつい顔で、
南の島の、あのモアイって言うんですか、その像を連想したんです。
老人は「灰をかぶれええ」大声で叫び、やや遅れて私が悲鳴を上げました。
主人が駆け込んできたときにもまだ、私は壁まで下がって叫び続けていました。
「こら、どうしたんだ?」 「〇〇の、〇〇の顔が!!」
「ええ? なんでもないぞ」
見ると息子はすやすやと眠っていて、老人の顔など、どこにもなかったんです。
息子は騒ぎに起きもせず、右手を上げて目蓋をぽりりと掻きました。

翌日、お葬式が終った後に、また息子を連れて皮膚科に行きました。
変に思われるだろうし、主人にも怒られるだろうと考えたんですが、
思い切って、老先生に昨日の夜のことを話してみたんです。
そしたら、老先生はありえないような話を遮りもせず最後まで聞いてくださり、
両手を組んで「うーん」と唸っていました。
やがて、「医者がこんなことを言うのはやっぱりよくないんだろうけど、
 お薬師様の目洗い地蔵さんって知ってるかな」意外なことを言われました。
「そこのお水をいただいて、この子の顔を洗ってみたらどうかなあ。
 いやね、わたしも若い頃は、なんだそんなものって馬鹿にしてたんだが、
 これがうちで改善しなかった症例がよくなったことも多々あるんだよ。
 その老人の顔というのは解釈できないが、行ってみなさい」

それで、待っていた主人にそのことを話し、車で回ってみたんです。
お薬師様があるお寺は大きなところでしたが。平日で境内は閑散としてました。
参道の右脇にお地蔵様のお堂があり、竹筒から水が手水鉢に落ちていました。
そこのお賽銭箱に千円札を入れ、持ってきたタオルに柄杓で水をかけ、
息子の顔をふこうとしたんです。タオルを近づけたときに、
急に息子が口をとがらせ、老人の声で「やめろお」と言ったんです。
ええ、これは主人も聞いて驚いていました。私はためらわず、
タオルで息子の顔を包み込むようにし、それを何度も繰り返しました。
息子は最初は泣いていましたが、タオルの水をかえるたびに、
「気持ちいい」と言い出して、最後はにこにこしていたんです。
これでお話はほとんど終わりです。

その後3日ほどでアレルギーは治まり、顔の皮が剥がれた部分から、
新しいやわらかい皮膚がのぞいてきました。
あの老人の顔や声は一度も出てきていません。
あれ、何だったんでしょうか。わからないですが、火葬のときに女の子が言っていた、
10円玉で頭をなでた老人と関係があるような気がしてならないんです。
みなさん、どう思われますか?ああそれと、老先生の皮膚科にはその後も通って、
今後のことも考えて、詳しいアレルゲンの検査をしてもらったんです。
でも、何百種という数で調べてもよくわかりませんでした。
ただ、少しだけ反応があったのが火山灰なんです。
でも、このあたりに火山なんてないですし・・・ あの老人の言葉を考え合わせると、
火葬の灰・・・ そういうことってあるものなんでしょうか。






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