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廃路地

2015.08.30 (Sun)

こないだ、2週間くらい前です。自分は食品加工会社に勤めてるんですが、
消毒に出してた容器類を取ってくるように言われて、社用のバンで関連会社まで行ったんです。
そこの会社は行くのが2回目だったんですけど、
道がうろおぼえだったんでナビをセットして、その指示どおり運転してたんです。
けっこう遠いです。ナビの到着予定時刻が35分でしたけど、
渋滞とかを考えれば1時間近くかかるだろうなと思ってました。
社を出て20分ほどして、片側1車線のさびれた商店街に入りまして。
そういえば前もこんなとこを通ったなあ、って記憶がかすかにありました。
その道はどんどん細くなってセンターラインがなくなり、さらに10分進んだところで、
道に真ん中にカラーコーンが置いてあって、通れなくなりました。
一個だけのコーンに、ビニールに包んだ板が入ってて、マジックで「通行止」って書いてたんです。

「ありゃ」と思いました。Uターンするしかないわけですが、
転回するスペースがなくて、どっかの民家の軒先に入るしかない。
しばし躊躇してたんですが、ちょうど右脇の民家からバアサンが出てくるとこだったので、
車の窓を開けて「軒先に入って車の方向変えてもいいですか?」って声をかけたんです。
バアサンは最初、こっちの意図がわからないようでしたが、
すぐ「ああ、かまいませんよ。ここ通れなくなっちゃったから私らも不便で」こう言いました。
「前、ここたしか飲み屋街でしたよね」 「そうだったんだけど、ほとんど店閉めちゃって。
 道にビール瓶が出てきてからなんですけどね」 「ビール瓶?」 「ほらあれ」
指さしたところを見ると、入れない道の10mほど先に、
ビール瓶が横一列に、口のほうを下にして埋められていたんです。
それだと大型SUVでも乗り越えられない感じでした。

「ありゃ、あれわざわざ埋めたんですか? なんでまた?」
「いえね、飲み屋街の人の話だと、ある日、店に来てみたらそうなってたって」
「まさか。法律違反だし、イタズラとしても市のほうで直すでしょう」
「いえねえ、その道路は飲み屋街の私道だから。もともと広い空き地だったところを、
 大手の不動産屋が買って、店にして分譲したの」
「ははあ、でも全部シャッター下りてますよね」
「そのビール瓶が出てきてからね、みなバタバタと出て行っちゃって。
 今やってるのは向こう側の出口近くの1軒だけ」
こんな話になりまして。で、礼を言って車を入れさせてもらい戻ったんです。
まあねえ、今考えれば、ここで詳しいことを聞いたのがマズかったかなって。
何がマズいのかうまく言えませんけど。

でねえ、戻ったら戻ったで、ナビが前の道をしつこく指示し続けたんです。
これはよくあることなんで、無視して関連会社の方向に進んで行きまして。
ある程度の距離をきたら、普通はナビもあきらめて別ルートに切り替えるでしょ。
ところがいつまでも、さっきの道に戻れ戻れって言い続けるばかりで。
うるさいので切って自力で行きましたよ。
でね、これだけならなんということもない話ですが、
その日の夜からちょくちょく金縛りに遭うようになったんです。
自分は一人暮らしで一間のアパートです。ベッド置くのはスペースがムダなんで、
布団敷いて寝てるんですけど、夜の1時少し前に布団に入って電気消して・・・
うとうとしかけたかなというときに、まわりがものすごく眩しくなったんです。
強烈な白色光。布団に寝てるはずなのに、手術台みたいな高いとこにいる気がしました。

そう、体はまったく動かなくて、縛りつけられた感じがしまして。
首も動かなかったですが、薄目を開けることができたので、
真上を見ると、緑っぽい手術着を着た医師が見下ろしてました。
顔はマスクとゴーグルみたいなのをつけてましたから、よくわからなかったんです。
でね、どうやら医師は数人いるみたいで、自分にはわからない言葉で話してる気がしました。
その状態が・・・そうですね、20分くらいは続いたような感じがしましたね。
ときおり上のほうで金属が光ってて、医師同士で、
タバコの箱くらいの機械をやりとりしてるように見えたんです。
そんな具合で、体が自由にならないまま、いつしか眠ってしまったんです。
朝は目覚ましでいつもどおり目が覚めまして、部屋に変わった様子はなかったですねえ。
電灯も消えてたし、おかしなことは何も。

その日に会社で、休み時間に同僚に金縛りの話をしたんです。
そいつはコンビニで宇宙文明がどうしたとか怪しい雑誌を買ってるようなやつで、
何かわかるだろうかと思って。そしたら、こんなことを言ってました。
「日本だと金縛り中に見る幻覚は、心霊系のものが多い。
 典型的なのが落武者がのしかかってきたってやつね w けど、アメリカだとこれが、
 ほとんどUFO系になるんだよ。アブダクションって言うんだけど、
 睡眠中に宇宙船に拉致されて、いろいろ人体実験されたり、体内に遺物を埋め込まれたり、
 そういう証言をする人がすごく多い。まあ文化の違いを表わしてると思うけど、
 〇〇はUFO系なんだろうね。気にすることはないだろ、疲れがたまってるんじゃないか」
でもねえ、自分はUFOなんてまったく興味なかったんです。
テレビでも映画でもそういうのは見ないし。幽霊のほうがまだしも関心があるといえばある。

疲れがたまってるのは確かなんで、翌日からは早めに寝るようにしたんですが、
この金縛りの夢はその後も3回見ました。内容はほとんど同じです。
でね、一昨日4回目を見たんですが、そのときは終わりのほうが少し違ってたんですよ。
いつも自分の顔の上にいる医師ですが、最後にマスクとゴーグルをとって、
顔を近づけてきたんです。いや、人間の顔でした。
30代初めですかねえ。俺より少し若いくらい。面長で美男子でしたよ。
そこで記憶が途切れて・・・気がついたらどうなってたと思います。
自分はエンジンがかかった車の運転席にいて、真っ暗な中、ライトを消して停まってたんです。
はい、自分の軽の車です。ナビがついてて、その時間を見たら12:58。
ヘッドライトをつけて驚きました。目の前にあるのが、
あの最初に話した路地のカラーコーンなんです。「ええええ!?」これは驚くでしょう。

意識のないまま自分が車を運転してここまで来たってことでしょうか。
ありえないんですが、そうとしか考えようがないんです。
でね、13:00になったとき、それまで黙ってたナビが「目的地周辺に到着しました」
ってのを連呼し始めたんです。会社の車じゃなくて自分の車で、
しかもナビのセットなんてしてないのに。背筋がぞくぞくっとして、
すぐにナビをテレビに切り替えました。逃げ出そうとしたんですが、
ハンドルがロックの状態からもどらなかったんです。あれこれ試してもダメで・・・
これはJAFを呼ぶしかないと思ったんですが、自分は寝るときのジャージ姿でスマホがない。
どうしようもなくて車の外に出ました。あたりの家は時間が時間ですから寝静まってて、
見ると路地の奥のほうに明かりが見えたんです。
1軒だけまだ残ってる店があるって前に聞いたのを思い出して。

電話を借りようと思ったんです。気味が悪かったんですが、
それが一番早いと思って、コーンの向こうに入って行きました。
道の両側の飲食店は、どこも同じような仕様で新しく見えましたが、
みなシャッターが下りたり、中が真っ暗だったりで。街灯はついてました。
でね、道のビール瓶のところまで行って、そしたら道を横切るようにからーっと、
アスファルトに首まで埋まってたんです。几帳面にラベルのあるほうをこっちに向けて。
そのラベルに違和感を感じました。それでしゃがみ込んで見ましたら、
「SAPPORO」のロゴに赤い星がついてるはずのが、「SAPPUOU」ってなってて、
星の形もなんだか変で・・・「サップオウ? パチもんかなあ」そうつぶやいて、
乗り越えて明かりのついてる店に向かって行くと、急にネオン看板が消えたんですよ。
で、木の一枚ドアが開いて、中からすごい長身の男が出てきたんです。

身長は、179cmの自分よりずっと高く、2m近かったんじゃないでしょうか。
その顔が、寝た後に金縛りで見た医師の顔そっくりだったんです。
男は外人みたいな感じで両腕を広げて、無表情で自分のほうに近づいてきまして。
思わず固まってしまいましたが、少しずつ後じさりしました。
自分は大学まで柔道をやって3段で、体力にはそれなりに自信があったんですが、
とにかく気味悪くて。男がぎくしゃくと近づいてきて、それが突然しゃがみこんだかと思うと、
「おげーっ」と声を上げて吐き始めました。それをきっかけに、
自分は後ろを向いて走って逃げたんです。車も捨ててとにかく人のいるほうへ。
路地から出るとき振り返って見ると、男はうずくまったまま緑に光るものを地面に吐いていました。
昨日の朝ね、友だちを頼んで車を取りに戻ったら、普通に動きました。ただ・・・
ボンネットのホコリの上に大きく、ビール瓶にあるのと同じ変な星のマークが書かれてあったんです。





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