基礎科学はいつか

2015.09.01 (Tue)
* 今日も怖い話ではありません。

オカルトでもないような気がします。
自分はときおり「最新 科学 ニュース」で検索して、
読売とか日経、あるいはヤフーの科学サイトを読んでいまして、
昨日の記事も、そこで見つけたニュースをもとにして書いたものです。
脳科学、心理学、ロボット工学などの記事はオカルトに結びつけやすく、
原発関連、火山や気象(つまり地学系)サイバー関係などは、
オカルトの話題に振っていくのは難しいです。
無理やり書いて書けないことはないでしょうが、
そうすると怖い話を書くより時間がかかってしまいそうです。

さて、昨日の「他人の顔、言葉にすると忘れる?コンピューターで初めて再現 名古屋大」
(発信元は時事通信)の記事のすぐ隣に、
「クラゲ毒針長いほど刺されたら痛い…東京海洋大」(発信元 読売新聞)
という記事があり、興味をひかれて読んでみました。
だいたいこんな内容です。

『東京海洋大の永井宏史教授らのチームが、
日本近海に多い4種のクラゲの毒針を顕微鏡で観察して比較。
刺されると激痛があるハブクラゲとアンドンクラゲの毒針は、
長さ0・2ミリ以上のものが多かったのに対し、
刺されても傷が軽いアカクラゲでは0・1ミリ前後、
刺される被害がほとんどないミズクラゲでは0・05ミリ程度だった。
永井教授は、人間の皮膚の表面「表皮」の厚さは約0・2ミリなので、
表皮を突き破る長さの毒針をもつクラゲで、被害が大きくなるのではないか、と説明する。』


これを読んでどんな感想をお持ちになるでしょうか?
「何だそりゃ、あたり前だろ」と思った方はおられないでしょうか?
別にクラゲにかぎらず、注射針だって太くて長いほうが痛覚点を刺激しやすく、
それは痛いにきまってますよね。
まして、ここではクラゲの持つ毒の種類についての言及はないのですから、
「これで果たして研究?」という疑問が出るのもしかたないような気がします。
最近は、出した論文の数量で大学や学術機関、研究者が評価されることが多いので、
「こんなものが?」と思われるような内容のものを目にすることも多くなりましたが、
まあしかし、こういう基礎研究というのは思わぬ分野で役に立つ場合もあります。

自分が思い浮かべるのは自動車会社のトヨタの事例で、
研究開発チームは「アネハヅル」というツルの研究に取り組んでいたそうです。
この鳥は、ツルの仲間の中でも最小の部類なのですが、
渡りをするときに、高度5000~8000mの上空を飛んでヒマラヤを越えます。
12000mでジェット機のエンジンに吸い込まれたという記録もあるそうです。
高高度の気温は-30° 気圧が低いですし、強い気流もあると考えられるのですが、
それをものともせず飛ぶのですね。
低気圧への対応は、体内にある気嚢(きのう)という、
横隔膜を利用した吸気・排気の強化システムを利用しているそうですが、
それ以外にも強い骨格や、空気力学にかなった体の形状を持っていると考えられます。

トヨタがこれについて研究したのは、
なにもホンダのように、パーソナルジェットを開発するということではなく、
一には車の軽量化技術に役立てるためだったようです。もちろん車体が軽くなれば、
それだけ燃費がよくなるわけです。
まあ何十年も前の車は、今と比べれば驚くほど軽かったのですが、ペラペラの外板で、
エアバックはもちろん、現在のような衝突安全や運転支援システム、
環境対応などもなかったため、これは当然のことです。

どんどん車が重くなっていかざるをえない中で、軽量化を進めるのはたいへんです。
それはカーボン、チタンなどの素材を使えば車は軽くはなりますが、
その分どうしても高価になってしまうのです。
そこで、このアネハヅルの、軽くて強い骨格に注目すると同時に、
循環器のシステムも効率的な内燃機関の参考とする・・・

というような感じで、基礎研究は積み重ねておけばおくほど、
いつかどこかで役に立つ可能性が高まるのですね。
ちなみに、日本は学問を志す人にとっては大変に恵まれた国です。
明治維新以後、先人が苦労を重ねて、外国の専門書をガンガン翻訳してくれたために、
各分野の有名な著作を日本語で読める場合が多いのです。
このあたりは日本の大きなアドバンテージといってよいと思います。
新興国はこれが大苦労です。英語圏の国ではないのに、
日本が多数ノーベル賞を獲得している一因であると考えられます。

先ごろ「文科省が文系学部の規模縮小や統廃合を全国の国公立大学に要請へ」
という話がありまして、これは様々な理由があるでしょうが、
一番は少子化対応なのだと思います。
少子化で日本人の学生の数が減れば、当然ながら理系研究者も減り、
産業に活かすことができる新技術の開発も滞り、国際競争で負けてしまう・・・
という考え方が根底にあるのでしょう。
ただし英語教育は小学校段階から強化・・・

これについては多様なご意見があるでしょうが、
自分は、しかたがないことかもしれないなあ、とも思いますね。
日本が工業立国するという大勢は変えようがないでしょうから。
ちなみに自分は大学で考古学を専攻して、これは文系分野ですが、
地質学はやりますし、発掘前には測量しますし、遺物の保存に化学薬品も使います。
c14などの理化学年代もあり、けっこう理系にも近いものでした。

さてさて、話が思わぬ方向に進んできましたが、
自分がやっているようなオカルト分野というのはどうなんでしょう。
友人の中には「幽霊や魂、霊界のことなんていくら調べても、
確証は出てこないのだから、時間のムダだろう」という人もいます。
自分でもそう思わないこともないのですが、
やはり、やっていると面白いので続けているという感じです。ネット上でも、
地方史などでは、頭の下がるような精緻な研究をされている方もおられて、
それに比べれば、自分の書いてるのはただの趣味のお遊びなのですが、
ま、いつか何かの役に立つようなことがあればいいかなあと。

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