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聞いた話(ロウソク)

2015.09.03 (Thu)
大阪の近県在住の主婦のBさんの話。この方は自分の知り合いでもなんでもなく、
不思議な話を持っているとのことで紹介され、取材してうかがったお話です。
Bさんは40代で、その当時、中3の受験生の母でした。
ご主人は地元の建機販売会社に勤めていて、ご自身は週3回の清掃のパート。
こう言ってはなんですが、どこにでもいるごく普通の主婦の方で、
おかしなものが見えたりしたという体験は子供の頃からないそうですし、
それに、この方だけの体験でもないんです。
買い物をするとき、Bさんはほとんど、
お住まいの近くにある巨大しショッピングモールに行くことにしていました。
そこは食品から衣類、家電までなんでも揃うし、何でもかなり安いんだそうです。
それに距離も自転車で10分程度。

息子さんが中3になった年の10月から、おかしなことが起こり始めました。
だいたい2週に3回くらい、そのショッピングモールに行くのですが、
そのたびになぜかロウソクを買ってきてしまったんだそうです。
箱に2本入った太いやつですね。家には仏壇、神棚はあるんですが、
毎日ロウソクを灯しているわけでもなく、
そもそもそんな太いロウソク立ては持ってない。
それが、気がつくとショッピングバックの中に同じロウソクが入っているという。
「買うときの記憶はなかったですか?」と聞いてみたところ、
「それがねえ、あるにはあるんだけど、夢のなかで行動してるような感じなのよ。
 買い物の最後に地下の食品売り場に行って、そこで一番物を買うんだけど、
 その後1階に戻ってきたとき、なぜか仏具のコーナーでロウソクを買ってしまったの」

「おかしな話ですねえ。それ、あ、ロウソク買ってるって気がついたときに、
 やめることってできないんですか?」
「それがねえ、その数分くらいの間は、頭の中で、これ必要なものだから、
 って考えがあって、レジでお金を払って外に出るまでどうにもならなかったのよ」
「ははあ、じゃあ後になって返品するって考えは?」
「うん、それはね、ショッピングバックを見て何度も考えた。包装は開けてないし、
 習慣的にレシートは財布に入れてるから、できないことはないの。
 でもねえ、毎回それを買ってしまうことに何か意味があるような気がして」
これが12月頃まで続いたそうです。その間に溜まったロウソクが10箱、
20本分ってことになります。それでその月に、
息子さんの進路を決める最終の三者面談が学校であったそうなんです。

Bさんの家庭では、長男なので大学まで入れたいと考えていたものの、
私立に行かせる余裕はない。息子さんの学業のできはよかったので、
その地域の効率で一番の進学校に行かせたいと思っていて、
本人の希望も同じだったそうです。
最初に学年の全体会があって、その後各教室に分かれて面談だったんですが、
控室で待っているときに、知り合いの方に何気なくそのロウソクの話をしたそうです。
そしたらその方は心底驚いた顔をして「私も買ってしまってる」って。
まあ、住宅密集地でせまい学区なので、
ほとんどの家で同じショッピングモールを利用しているそうですが、
その方も、やはり同じショッピングモールで無意識にロウソクを買ってしまっている。
ちょっと偶然とは思えないでしょう。何かの導きという感じがしますよね。

で、12月も押し詰まり、学校が冬休みになって息子さんの勉強もラストスパート、
という頃、町会の回覧板が回ってきて、地域の神社に新しく摂社を建てることになった、
という記事が載っていました。その経緯が不思議で、
例のショッピングモールには巨大な倉庫が付属しているのですが、
そこに大がかりな清掃を入れたとき、なんと冷凍庫の奥から、
等身大より大きいエビス様の石像が、表面がカチカチに凍りついた状態で見つかったそうです。
あの釣竿と鯛を持ったやつですね。ショッピングモールの支店長が地元の大学に見せたところ、
はっきりとはわからないが室町くらいまでさかのぼる様式で、
粗い彫りで美術的な価値は大きくはないだろうが大変珍しい物、と鑑定されたそうです。
でも、なぜそんな像があるのかは古株の社員の誰にもわかりませんでした。
海には近いですが、ショッピングモールができたのが、そもそも18年前だったんですね。

ということで、困ってしまった支店長は地域の神社に相談して、
幸いにそこの御祭神とぶつかるような神様ではないので、
摂社として神像を祀ってもらうことになった、そういうお知らせが載っていたわけです。
それを見て、Bさんにはピンとくるものがあったそうです。
買い溜めたロウソクはここで使うべきなんじゃないか、って。
で、新年になり初詣には息子さんと一緒に、そこの神社に行きました。
拝殿にお参りしてから寄った、エビス像をおさめたお社は、
大きなものではありませんでしたが、白木の香りも新しくいかにもご利益がありそうでした。
木柵ごしににこやかなエビス様の顔が見えまして。お賽銭を入れて、
ロウソク立てに買ってあったものを2本お供えしようとしたとき、
同じくロウソクをお供えしようとした人があり、それが息子さんと同級のお母さんだったんです。

前に面談のとき、ロウソクを買ってしまうとおっしゃっていた方とは別の人です。
話を聞いてみると、やはりBさんと同じように無意識に近い状態で、
ショッピングモールでそれを買っていた。
なんとなくここにお供えすればいいんじゃないかという気がして持ってきた。
そういう話でした。でね、後日Bさんは電話をかけまわして情報を仕入れまして、
同じようにロウソクを買っていたらしき人が、同じ中学校の保護者で、
5人ほどいたということがわかりました。それで全員ではなかったんですけど。
その人たちには共通点があって、自分たちの代の前から地域に住んでいた人で、
地域の公立高校を志望する中3の息子(娘さんはいなかったそうです)さんがいたこと。
さらに今度は、それらの人に直接連絡をとってみると、
全員がエビス堂にロウソクをお供えしているということが判明しました。

でね、Bさんは社交的な方でしたので、どうせなら皆で一斉に行こうということにして、
会をつくったそうです。全員一緒にいくのは、十日えびすという言葉があるので、
2月と3月の10日に2回実施して、それ以外は各自でということで。
日曜などに息子さんも連れてお参りしロウソクをあげてくる。
その間に、前の5人とは別にロウソクをあげにくる2人のお母さんとも知り合いました。
最終的には9人の同じ中学校の受験生のお母さんが会に入りましてね。
と、ここまで話すと入試の結果はおわかりでしょう。
そのお母さん方の息子さんは、全員、第一志望の高校に合格することができたんです。
3つの高校にわかれましたが、どれもそこの市にある公立です。
それ以来、ロウソクもショッピングモールで意識して買うようになり、
会は、息子さんが高3になった今でも続いているということでした。

あいい




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