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クリオネ

2015.10.16 (Fri)
年末ジャンボが今年ももうすぐ発売になりますよね。
スゴイですよね、1等7億円で、前後賞合わせて10億ですってね。
わたしも毎回、出るたびに買ってました。それは当たるにこしたことはないですけど、
よく言われることですが、純粋にフアンとして、
わくわくする夢を買っていたって感じですね。
いやあ、今年はどうしようか悩んでるところです。
去年みたいなことがあったらと思うと・・・ええ、あれこれ実害がありましたから。
ええ、これからするのはそのときの話なんです。
クリオネってご存じですか? 流氷の天使と言われてるあの生き物です。
みなさんもご存知でしょう。テレビだと接写されて大きく見えますけど、
実際は3cmもないんですよね。しかも冷たい海でないと生息できない。

あの大きいのを見たんです。それも空中に漂っているやつを。
それだけじゃなく、しばらくの間飼ったっていうか、いっしょに過ごしたんです。
まあ聞いてください。毎年、年末ジャンボの発売って11月の下旬ですよね。
発売初日には、テレビで特集が組まれたりもします。
でも、わたしはあの人混みの中で買うのはあんまり好きじゃないんです。
それと、わざわざ過去に高額当選が出た人気売り場で買うのも。
だから毎年12月に入ってから、職場から一番近いとこで買うようにしてたんです。
そうですね、入れ込んでるわけじゃないんだよってポーズを、
自分自身に示したかったのかもしれません。
去年の12月の10日です。仕事が早く終わりまして。
宝くじ売り場って普通は7時前にはしまっちゃうじゃないですか。

けど、その日は余裕を持って買える時間がありました。
それでね、ひと駅分歩いて宝くじ売り場に寄ったんです。
大きなところじゃなく、ボックスでやってる窓口2ヶ所だけの店です。
もう買う人はおおかた買い終わってる時期なので、並んでいる人はいませんでしたね。
店に寄ろうとしたら、2番窓口の上のところにクリオネ状のものがいたんです。
でも大きさが10cm近くありました。白くてふわふわして、
一種の電球にも見えましたね。ええ、わたしも最初は飾りの一種だと思ったんです。
ところが近づいていくと、それが宙に舞い上がり、
小さな羽根をパタパタ広げて飛び回ったんです。あっ、生きなのか?? と思いましたが、
その動きが、わたしが宝くじを買うのを誘ってるように見えたんです。
そのときです。中年の男性が宝くじ売り場に向けてわたし同様に道を外れました。

あ、この人も買うんだ。そう考えて、やや小走りで窓口までいき、
タッチの差でその人の前に出たんです。
いや、別に気分を害したようには見えませんでしたよ。
体が触ったわけでもないし。でね、いつものように10枚、
3000円分買ったんです。その間、クリオネはずっといて、
ジャンプしても届かないくらいの高さをひらひら舞ってました。
でね、帰路につこうとしたら、クリオネがついてくるんですよ。
わたしの頭の真上を飛んでね。もしやこれは、幸運の天使なんじゃないかって思ったんです。
ええ、宝くじが高額当選するかもってことです。
他の人にも見えるのかと思って、自分のを買い終わったさっきの中年男のそばに寄り、
わたしの頭上を指差して、「あの、すみません、これ何でしょうかね?」って言ってみました。

中年男は眉間にしわを寄せ、不審そうにわたしが指差す上方を見てましたが、
「何もないだろ」そう言ってすたすた歩いていったんですよ。
ああ、これは他の人には見えないんだってわかりました。
で、そのクリオネを頭上に従えたまま、自分のアパートまで帰ったんです。
これがねえ、不思議な動きをしまして、例えば天井の低いところにくるでしょう。
そうするとクリオネは壁にもぐるんです。意味がわからない?
例えばアパートのドアのとこは低くなってますよね。
クリオネは下に降りてきてあれをくぐり抜けるんじゃなく、同じ高さを保ちながら、
壁の中にぱっと消える。わたしがドアの中に入ると、クリオネも入っていて天井を飛んでる。
そんな感じでした。だからやっぱりこの世のものじゃないんだろうと考えまして。
え、そんなものが見える自分の頭を疑わなかったかって?

うーん、今となってはそのとおりですけど、当時は考えもしませんでした。
でね、買ってきた宝くじ10枚は、神棚とかあればそこに上げるんでしょうけど、
ないので、クローゼットの上に文鎮で重しをして置いたんです。
そしたら、クリオネもその上のところでひらひら舞ってました。
触ろうとは考えませんでした。だって壁抜けするんだから、
手でも触れないだろうと思ったのと、それとね、逃げ出されたりしたら嫌じゃないですか。
完全に幸運の神様だと信じこんでましたからね。
ただし、観察はしましたよ。頭に猫みたいな耳があるのは本物のクリオネと同じでしたが、
その上にうっすらと輪っかがあったんです。天使の輪っかだと思いました。
それと、体の中央部がオレンジに光ってるんですが、通常の光とは違って、
それに照らされてまわりが明るくなるということはなかったです。

部屋の電気はつけても、つけてなくても同じように見えてました。
でね、場所は宝くじを置いた上をぜったいに離れなかったんです。
ねえ、どうしたって関係があると思うでしょう。それからは、部屋に帰るのが楽しみというか、
心配になってきまして。ええ、もしも戻ったときにクリオネがいなくなっていたらどうしよう、
って考えまして。それからは、できるだけ残業は断って早く帰るようにしました
彼女もいたんですけど、それで疎遠になってしまって・・・
どうしてか、人に言うとよくない気がしたんですよ。
だから教えませんでしたし、もし10億当たったら、女に不自由することもないでしょ。
部屋に入るとまずはクリオネを確認する。ええ、普通のペットよりずっと気を遣ってました。
考えてみればやっぱし、おかしくなってたんでしょうねえ。
だってクリオネがいてもいなくても、宝くじの番号が変化するなんてありえないですから。

それが、こいつがいなくなったら当選から外れるって気持ちになっちゃいましてね。
で、12月に入り、年がだんだんに押し詰まっていって・・・
宝くじの抽選は大晦日ですよね。その日は彼女から誘いがあったんですが、
それも断って、自分の部屋でクリオネが飛ぶのをみながらテレビをつけてまして。
NHKの紅白、ゆく年くる年と終わって、いよいよ年末ジャンボの抽選・・・
もうわたしは期待と興奮で、ありきたりな言いかたですが胸が張り裂けそうで。
そのとき、機嫌よさそうに飛んでいたクリオネに変化があったんです。
宙から宝くじの上に降りてきました。注視してましたら、
頭がぱかっと割れたんです。そして中から何本もタコの足のようなものが出て、
そっちを下にして宝くじの上を這うような動きをして・・・
いきなり、一直線にわたしのほうに飛んできました。

たぶん頭を貫通したんだと思います。強い衝撃があって気を失ってしまったんです。
・・・気がついたら元日の朝になっていました。
宝くじはそままありましたけど、クリオネの姿はなし。
ネットで当選番号を確認しましたが、当たったのは続き番号だったので、
最低の6等が一枚だけでしたよ。
あとねえ、クリオネがあたったと思われる右のこめかみ、
もみあげ部分の髪が焦げていまして、さわると焼けた髪の毛がパラパラ落ちました。
あと、程度はそこまでではなかったんですが、左の側頭部も。
やっぱり頭の中を通り抜けていったんでしょう。
まあこんな話です。それ以来一度も見てないんですが、なんかねえ物忘れが大きくなって、
今年は仕事でのミスが多かったんです。やはり何か関係があるんでしょうか?

クリオネの補食シーン






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