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聞いた話2題

2015.10.19 (Mon)
コツン

美容師をしている沢村さん(仮名)という30代の独身女性から聞いた話です。
彼女は、カリスマ美容師というほどでもなかったんですが、腕がよく、
店を移るたびに年収が増えていったそうです。
今は大阪のヘアメイクサロンにいるんですが、
そこは芸能人などもちょくちょく訪れるところです。
こんぼ沢村さんが、まだ駆け出しの20代前半の頃の話です。
地元でアシスタント修行を終え、大阪に出てきてあるビューティサロンに就職しました。
それにともなって住居、アパートをさがしたところ、
職場の近くに格安の物件があったそうです。
1DKで、キッチンはせまかったものの、付属した洋室が8畳あり、
とても使い勝手がよかったそうです。

このあたり怖い話の王道のような展開ですが、沢村さん自身は、
幽霊や霊障のようなことはまったく信じていませんでした。
仕事が終わって夕飯を買って帰ると8時過ぎ、それから風呂に入って・・・
という日常にだんだん慣れてきた頃、浴槽に入っていると「コツン」
という音が聞こえるようになりました。
最初はお湯の配管か何かの音だろうと気にとめなかったんですが、
たびたびその音を聞いていると、物事をやる気力が薄れていくような感じがしました。
例えば、好きなテレビ番組があって、お酒を見なだらそれを見ようと予定を立てていても、
その「コツン」を聞いた後は、なんだかどうでもよくなって寝てしまうんです。
そのことを先輩に話したところ、「友達にそういうの見える人がいるから、
 今度連れて遊びに行くよ」そう言われました。

2週間ほどした休みの日、先輩と友達が来てくれたました。
その人はおっとりした顔立ちで、もう子どももいる専業主婦ということでした。
さっそく風呂場に案内したところ、その人はこめかみを押さえながら、
「ちょっとわからないな。バスタブにお湯を入れてみて」こう言いました。
沢村さんは、人が来るということで浴槽のお湯を抜いて掃除していたんですね。
だんだんにお湯が溜まってくると、沢村さんにも先輩にも何も見えないのに、
その人はじりじり後ずさりし始めまして、「若い女の人がいる」と言いました。
「どんな人ですか?」そう尋ねたところ、
「頭の形が崩れてて、両手でお湯の中を探してる」こう答え、さらに、
「あ、あ、頭の形が元に戻った。あ、タイルに頭をぶつけた」
このようなことを言ったんです。

詳しく聞いてみると、風呂に入っている状態の裸の女の人がいて、
最初は普通だけど、横のタイルに軽く頭をぶつけると急に顔全体がゆがんで、
両手で何かを探すようにお湯の中をかき回し始める。
それで、頭をぶつけたとき「コツン」という音が聞こえるということだったんです。
沢村さんの先輩は憤慨しまして、
「そんな幽霊が出るような住宅を世話するなんてトンデモナイ」ということで、
いろいろ事情を探ってくれたんです。そのアパートの近くは飲食店の多いところでしたので、
中でも長く営業していそうなところに入っては、話を聞いたんですね。
そうしたら、そのアパートの沢村さんの部屋には、
3代前、まだ10代と思えるカップルが入居していて、
1歳にならない赤ちゃんもいたそうです。

そこからは推測混じりということでしたが、
奥さんのほうは若い頃ヤンキーで、シンナーなどの薬物をやっており、
子どもが生まれたので、改心して?結婚し、旦那さんと暮らし始めたものの、
骨が脆くなっていたため、浴槽内でちょっと滑って、
タイルにコツンと頭をぶつけただけで、頭蓋骨を骨折し、
脳に障害を受けて亡くなってしまったそうです。
赤ちゃんは浴槽に落ちたものの、旦那さんが助けだして無事だったようです。
その後すぐ旦那さんらは越していったため、
どうなったかはわからないそうです。沢村さんの先輩はさらに憤慨して、
その部屋を世話した不動産屋に掛け合い、礼金等を返してもらい、
沢村さんは別のアパートに引っ越したんですね。

真っ黒

楽器販売店の営業をしてる50代の男性、吉川さん(仮名)から聞いた話です。
吉川さんが小学校6年生のとき、外国船の船員をやっているおじさんが家に遊びに来て、
吉川さんに南米のナイフをくれたそうです。柄もあわせて10数cmのものでしたが、
それは柄にも、革製のさやにも南国風の装飾が施されていて、
ナイフ自体は果物ナイフ程度であまり切れ味はよくなかったものの、
吉川さんはとても気に入りました。それで、翌日学校に持って行ったんですね。
その当時は持ち物検査などされたことはないと言っていましたが、
担任の先生に見つかればまずとりあげられ、親に連絡される。
そこで、学校の帰りに友達に見せることにして、ずっとズボンのポケットに持っていました。
その日は理科の時間に外に出て木の実拾いのようなことをしていたんですが、
急にトイレに行きたくなった吉川さんは、先生に断って校舎に戻ってきました。

そこの小学校は古い木造の校舎で、トイレは水洗でこそありましたが、
床はコンクリで水が溜まり、その上にスノコを掛け渡して通るようになっていて、
便所のサンダルがなければ、とても入れるようなところではなかったそうです。
小の便器で用を足していると、ポケットに入れちゃんとさやもしてあったナイフが、
なぜかスッと床に落ちた感触があったそうです。
え、と思って下を見ると、便器の台座の横に、髪の毛よりもやや太い、
真っ黒な針金で編んだ鳥の巣のようなものがあり、
そこに垂直にナイフが突き立っていたということでした。
さやから出ていたんですね。吉川さんは何だろうと思い、顔を近づけてみると、
不思議なにおいがしました。今考えると、マンゴーなどの
外国の果物に近かったかもしれない、と言ってましたね。

ナイフを抜くと、巣は紙でできているように破れ、
中から黒い綿毛に似たものがいくつも出てきました。
これは父親になってから子どもさんと見た『千と千尋・・・』
の映画のススワタリというのに似ていたそうですが、目玉や手足はなかったそうです。
まあ黒いススのようなもの。それが一つ一つくっついたりせず、
20個ほど出てきて、吉川さんがズックの先でちょんと蹴ると、
わっと散らばってスノコの下などに吸い込まれ、巣のようなのとともに見えなくなりました。
ちなみに、ポケットには穴は開いておらず、ナイフのさやもちゃんとありました。
吉川さんは、急いでみなのいるところに戻りました。
その後、古い木造校舎のトイレらしく、怖い話の一つや二つは前からあったのですが、
それに「小便をしていると足元を黒いモヤモヤが走る」というのが加わったそうです。

まあこれで終わりといえば終わりなのですが、
関係あるかどうかわからないエピソードが一つあります。
吉川さんらの卒業式の日のことです。式の前にトイレに行ってこいと先生に言われ、
吉川さんが男子何人かと連れ立ってトイレに入ると、スノコとスノコの間に、
真っ黒な肌の人が立っていたそうです。その人は上半身裸で、腰ミノをつけていました。
それと、手には長い槍を持ち、ジャラジャラした装飾具を胸に下げていたそうです。
ただ、見たのは一瞬のことで、すぐかき消すように見えなくなったということです。
もちろん騒ぎ立てましたが、誰にも信用されませんでした。
「でも、これには当時の同級生で何人も証人がいるから」と吉川さんは言っていました。
あと、話の発端?になったおじさんからもらったナイフですが、
大事にしていたものの、吉川さんが中学生のときにになくしてしまったそうです。







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