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透明と軍事技術

2015.11.07 (Sat)
前に書いた「不可視、透明、半透明」は、
映画や幽霊の話題が多くなってしまったので、少し補足をしておきます。
ある物質が透明であるためには、光を吸収、反射、散乱しないことが条件になります。
前に色の話を書きましたが、その物質の特性により光の(虹の)7色のうちどれを吸収し、
どれを反射するかでその物の色が私たちの目に見えることになります。
ところが光を反射・吸収せずすべて透過してしまうと、その物は透明に見えるわけです。
関連記事 『幽霊の肖像』

光・・・この場合は可視光線ということですが、
これはあくまでも光の波長の一部分です。ですから、可視光線では透明であっても、
他の光線に対しては透明ではないという場合もあります。
例えば、ガラスは紫外線をかなり吸収します。
ですから紫外線に対しては透明ではない、ということができるでしょう。
車のUVカットガラスなどはこの特性を高めたものです。
昆虫の中には紫外線を感知できるものがいますので、
それらにはガラスが透明には見えていないのかもしれません。

それから、ダイヤモンドは基本的には無色透明ですが、
カットすることにより光が反射して、あのように強い輝きを持つわけです。
このように光り輝いて見えるものは、透明であるとはしません。
あとビー玉などですが、透明なガラス製であっても、
球形であることでレンズと同じような性質を持ち、光を屈折させてしまいます。
だから目に見えるし、どこにあるかがわかるわけですね。
youtubeの動画に、透明な強化ガラスに、
人が次々とぶつかる場面を撮ったものがありますが、
あれは、光の反射や散乱が起きにくい条件下にあるガラス面なのです。

さて、当ブログは科学ブログではありませんので、そろそろ話題を変えて、
もう少し興味の持てそうなことを書きます。
現在の技術では、人間そのものを透明化するのは不可能であると思われます。
ただし光学迷彩は軍事技術として各国で研究されています。
最も進んでいるのが米軍でしょうね。
映画の『プレデター』シリーズの怪物のように、スーツで身を包み、
その表面で光を曲げたりしているわけです。
次の画像をごらんください。自分は最初に見たときはCGかと思いましたが、
そうではないようです。この技術的な詳細は、当然ながら未公開です。





光学迷彩について、現在研究されている技術は2方向あります。
一つは映像投影型で、カメレオン型とも言われますが、簡単に説明すると、
兵士が自分の体をやわらかいスクリーン状のもので覆って、
そこに周囲の映像を投写する。
あるいは、これもやわらかい液晶画面のようなのを体にかけ、
それに直接外部の光景を映し出すというタイプの技術です。
これは砂漠やジャングルなどの単純な地形であれば効果抜群と思われますが、
都市部などの複雑な外観を映し出すのは難しいでしょうね。

それと、どうしても電源が必要になります。
表面が傷つきにくく、防塵性、耐熱性があり、軽量で長時間稼働できるもの、
と考えると、これは現実の装備とするためには、技術的な困難が相当にありそうです。
あと紫外線や赤外線カメラで見た場合にどうなるか・・・
対費用効果も厳しいでしょう。

もう一つのタイプは、光に対して負の屈折率を持つ、
メタマテリアルなどの特殊素材を使って、光を迂回させるタイプのものです。
マジックで合わせ鏡を使用して姿を消すのと原理は似ています。
これなら電源は必要がないかもしれませんが、
光を曲げる度合いには限界があると思われます。
ちなみに『怪奇大作戦』の有名な第一話「壁抜け男」で、キングアラジンが使用したのは、
特殊スプレーと周囲の色を映し出す特殊繊維でしたから、
これら2つのタイプを組み合わせたようなものになるでしょうか。
あの時代にスゴイ技術があったのですね ww

鏡を用いたマジック


さてさて、透明ということからだいぶ話がそれてきましたが、
それたついでに軍事的な話を少しすると、今後の戦闘で、
一兵士の迷彩の必要度はどれほどのものでしょうか。
現代の戦闘では、なるべく人的被害の少ない戦術が求められていて、
そのために開発されているのが、無人攻撃兵器です。
無人機による爆撃は現在すでに行われていますし、ドローンのようなものもそうです。
今後は無人ロボット兵器、ガンダムに人が乗っていないようのが出てくるかもしれません。
そういう時代にあって、高価な迷彩装置がどれほど役に立つのかということもあると思います。

世界の自動車メーカーでは、自動運転の技術を各社が競って研究していますね。
高齢化社会を見すえてのことでしょうし、
自動車事故のほとんどは人為的なミスによるものですから、
ぶつからない車づくりはもちろん間違ったことではないのですが、
これは容易に軍事に転用できるものでもあるのです。  関連記事 『不可視、透明、半透明』

『怪奇大作戦』キングアラジンの勇姿






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