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ドッペルゲンガーあれこれ

2015.11.22 (Sun)
前夜の話は、ドッペルゲンガーが主題になっているものでしたが、
これについて少し書いてみます。
ドッペルゲンガーはもともとドイツ語で、「二重に歩く者」といったような意味です。
英語ではダブル(double、doublement)と言われていますが、もちろんこれは、
普通に2倍という意味で使われる言葉で、ドッペルゲンガーの意で通用するのは、
自分のような、オカルト好きの間だけのことです。

Wikiでこのドッペルゲンガーを見てみますと、
①自分とそっくりの姿をした分身。
②同じ人物が同時に複数の場所に姿を現す現象。
③自分がもうひとりの自分を見る現象。自己像幻視。

と出てきます。①は②、③の両者に共通にかかる意味内容ですが、
②と③ではかなり場合が異なるのではないかと思います。

③のケースが、狭義のドッペルゲンガーではないかと自分は解釈しています。
つまり、自分の分身を見たのは自分だけという場合です。
芥川龍之介などはこのケースというか、本人が証言している、
『芥川はある座談会の場で、ドッペルゲンガーの経験があるかと問われると、
「あります。私は二重人格は一度は帝劇に、一度は銀座に現れました」と答えた。』

という話だけで、2人の芥川を見たという第3者は存在しません。
このタイプのドッペルゲンガーは、生気なくたたずんでいることが多く、
積極的に行動したり、ものをしゃべったりするというケースは少ないようです。
映像でブレがあるように、本人と同一の行動しかできない場合もあります。

日本で、離魂病、影の病い、影のわずらいと言われるものも、このタイプのようです。
まあねえ、これだけなら説明はそんなに難しくはないと思われるんですよね。
自分の分身を自分しか見ていない、というなら、
それは幻覚である可能性が高いでしょう。
実際、ある種の精神疾患、あるいは脳の側頭葉と頭頂葉の境界領域に
脳腫瘍ができた患者が、自己分身を見たり、
その存在を感じたというケースはいくつも報告されています。

またそこまで深刻ではない偏頭痛によても起きることがあるようです。
芥川龍之介も偏頭痛を患っており、しかも睡眠薬を多用していたので、
幻覚を見る条件はあったと考えられます。
あるいは薬物の影響。いずれにしても症例の一つとして説明がつきますし、
「ドッペルゲンガーを見たものは死ぬ」という説についても、
病気の影響による自殺、あるいは病死と考えれば不自然ではありませんよね。

問題は②のケースです。自分の分身を自分と第3者が同時に見てしまうケース。
あるいは、自分と同じ姿のものが離れた場所で同時に目撃されるケースです。
自分と他人がそろって同時に同じ幻覚を見た、というのは解釈が難しいのは当然です。
これの後者については、オカルト的にはバイロケーション(Bilocation)
といって区別されることもあります。

この言葉は日本では、同名の映画で知られるようになりました。
バイロケーションの場合は、ドッペルゲンガーというよりは、
日本でいうところの生霊というのが近いようです。
体外離脱(人間の意識が体から分離する現象)との関連で書かれている文献が多いのです。
ただし生霊も体外離脱も、出ている本体は、
眠っていたり虚脱しているケースが大部分なのですが、
バイロケーションでは両者とも活発に動いている事例もあります。

さて、バイロケーションの有名な例として、1800年代のフランス人女性、
エミリー・サジェ(Émilie Sagée)の話はあちこちで取り上げられます。
当時32歳のサジェは、ラトビアのリヴォニアにある名門の女子校に教師として赴任し、
間もなく生徒たちが「サジェ先生が2人いるように見える」と言い出し始めました。

Wikiがよくまとまっているので引用すると、
『生徒たちの証言によれば、あるときサジェが黒板に字を書いていると、
分身が現れ、黒板に書く仕草をしていた。ある生徒がサジェと並んで鏡の前に立つと、    
鏡にはサジェが2人映っており、生徒は恐怖のあまり卒倒した。
後に生徒たち以外の目撃者も現れ、給仕の少女が、
食事中のサジェのそばで分身が食事の仕草をしている光景を目の当たりにし、悲鳴を上げた。』


こんな感じですね。もちろんサジェ自身も分身を見ています。
この分身に関しての最大の目撃者は42人の生徒で、教室内と窓の外の花壇の両方に
サジェの姿を見たことになっています。
室内のサジェは生徒の一人がさわると布のような感触で、
分身が出ている間ぼんやりした様子だった窓の外のサジェが本物だったようです。
この後サジェは学校を追われるのですが、さらに19回も分身のために職を変えます。

まあ、思春期の生徒が集団幻覚を起こす事件はよく知られています。
次のような集団ヒステリー事件が報告されています。
生徒たちは幻覚を見るだけではなく、次々に過呼吸を起こして倒れるなど、
ある意味ではサジェのケースより深刻な事態になっているのです。
心霊事件簿5「何かがいる」

さて、この話ですが、かなり都市伝説的な色合いが濃いのです。
エミリー・サジェ(Émilie Sagée)について特定しようと、英文サイトはもちろん、
よくわからないながらもフランス語サイトも検索してみました。
まず出典として、この話は英国人の作家ロバート・デール・オーエンが、
サジェの赴任していた学校の生徒の一人であったジュリー・フォン・ギルデンスタッブ?
(Julie・Von・Guldenstubbe)という男爵令嬢から聞いたものとして伝わっているようですが、
ちょっとそれ以上はたどれませんでした。学校の名前も、(Pensionnat Neuwelcke)
と出ているサイトもありますが、固有名ではない気がします。
なんともよくわからないんですね。

また、ドッペル現象のために学校を追われたサジェは、その後、
有名なロシアの超心理学者アレクサンドル・アクサーコフ( Alexandre・Aksakof)
に相談してうんぬんと書かれているフランス語サイトもあるのですが、
ちょっと自分の理解がおよびません。いくつか検索キーを示しましたので、
どなたか詳しい方がおられればご教示いただければ幸いです。
Un étrange cas de "dédoublement"
ということで、時間がかかったわりには煮えきらない話になってしまいましたが、
いつかまたもう少し掘り下げてみたいと思っています。

さてさて、ドッペルゲンガー、バイロケーションについて考察してきましたが、
それが病気による幻覚であった場合はもちろん、それ以外のケースでも、
けして本人にとってよいものではなさそうです。
最近の実話怪談は、生霊ものをけっこう目にするのですが、
これにしても、平穏な生活、通常の精神状態では、
なかなか出てくるものではないようです。みなさまもお気をつけください。






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コメント
bigbossmanさん、こんばんは!!^^

怖いよー!!^^;
くわがたお | 2015.11.25 23:23 | 編集
コメントありがとうございます
ドッペルゲンガーの場合は、やはり他人が見るよりも
誰もいないところで、ひっそり佇む自分を発見してしまうほうが
怖い気がしますね
bigbossman | 2015.11.26 03:31 | 編集
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