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聞いた話 3題(異界)

2015.11.27 (Fri)
木の骨

これは自分が行きつけの居酒屋で、Oさんという50年配の会社員の方から
聞いた話なのですが、Oさんは東北に住んでいる甥から聞いたということなので、
また聞きの話ということになります。
Oさんの甥は30代になったばかりで、土建屋に就職し、ずっと地元で暮らしていて、
趣味は山歩きなのだそうです。ただし、ハイキングなどではなく、
春は山菜、秋はキノコ狩りと、実益を兼ねたものだったそうです。
その人が、去年の秋に慣れ親しんだ地元の山に入りまして、
キノコを採ってました。自分は詳しくはわからないのですが、
ナラタケという白っぽいキノコ背負カゴに何杯も採って、塩漬けにして冬中、
酒の肴にしていたんだそうです。で、いつもの林道から入っていった山は、
藪もかなり枯れていて、目をつむっても歩けそうなくらいでした。

キノコをカゴに放り込みながらずんずん登っていくと、
林の中のある方向から、カラカラ、カラカラという音が聞こえてきました。
それが高価な炭を打ち合わせたときのような、澄んだ金属音だったので、
不思議に思って聞こえるほうに入っていきますと、
楢の木の多い場所に出て、木から何かたくさんのものがぶら下がっていました。
白く乾いた動物の骨が、木綿糸で枝から吊るされていたんですね。
全部で100以上はあったそうです。高さは大人が手を伸ばしてやっと届くあたりに、
15~30cmほどのきれいに乾いた骨が隣と触れ合う間隔で吊り下がり、
それがぶつかって、風でカラカラと音を立てていたんですね。
見たときはぞっと背筋か寒くなったそうです。骨は鉛筆より細いくらいで、
すべてが同じ部位だと思いましたが、何の動物のものかはわからなかったそうです。

それで気味が悪くなり、キノコ採りを中断して林道の軽トラに戻りました。
とろとろと山を下っていくと、山裾の農家の爺さんが庭先に出て作業をしていたので、
車を停めて声をかけ、今さっき見た骨の話をしました。
爺さんはシワを深くして聞いていましたが、「なんだそれ、聞いたことがねえな。
 糸で吊るされてたというなら人がやったもんだろうが、気味悪い話だ。
 うーん、あんたなあ今年はもうこの山には入らんほうがいいかもしれんな」
そこで少し考えて、「そうだなあ採ったキノコも食わんほうがいいだろうな。
 捨てるのもあれだから、全部煮て、◯◯さん (これはそのあたりにある神社)
 に持っていったほうがいいんじゃないか」こんなふうに言われました。
で、言われたとおりにしたわけです。キノコ採りはあきらめたわけではなく、
別の山に入って採ったそうですが、特に不幸なことなどは起きなかったとのことです。

路地の長塀

これは自分と同じ占い師のUさんという人から聞いた話です。
Uさんは大阪でも高級住宅地と言われるところに住んでいるのですが、
ある夜、Uさんが占いの連載をしている雑誌の編集部との打ち合わせで酒を飲み、
終電で家に帰ったそうです。酔っ払ってたってことはない、とは本人の言ですが、
実際Uさんは、酒が強く、飲んでもほとんど乱れない人です。
自宅は駅から歩いて10分ちょっとほどで、いつもの道を歩いていました。
時間はもうすぐ翌日になるというあたりで、歩いている人には出会いませんでした。
ただし時おり車は通っていたそうです。で、長い板塀の横を通りましたが、
そこは有名な料亭の裏手にあたるところで、塀の中は日本庭園です。
5mおきくらいに、その料亭の上品なネオン看板が塀の上部に灯っていました。
それで、これが50mもない長さなのに、いくらあるいても塀が途切れなかったそうです。

それで、Uさんが「おかしいなあ」と思った途端、塀が直角に曲がって、
向こうにずっとまた看板のついた塀が伸びていた。でも、そんなはずはなかったんです。
そこは真っ直ぐな道で、曲がるということはありえない。
でも進行方向はまた別の板塀になっていて、曲がるしかなかったということでした。
その道に入っても、まったく先ほどの道と同じ印象で、
「これ、どう考えても変だよ」と思うと、目の前が行き止まりになって曲がり角が現れる。
・・・なんか昔話なんかに出てくるような話ですが、
Uさん本人はかなり怖くなっていました。板塀の道に入ってから10分以上過ぎてて、
出られないんじゃないかと思ったそうです。
で、もう一度塀を曲がると、向こうから歩いてくる人がいました。
でも、風体が異様で声をかけられなかったんですね。

男の人で、和服を着て手ぬぐいをかぶった時代劇のような服装。
それで、チンドン屋が持っているような太鼓を胸の前にぶら下げていたそうです。
その男はほっかぶりをしたまま視線を下にむけてずんずん近づいてきて、
Uさんとすれ違いざまにぼそっと、「土産、塀の中に投げるといんじゃないかな」
と言ったそうです。そのときUさんは、家族の土産の焼シュウマイをぶら下げてたんです。
「えっ」 と思って振り返ると男の姿は消えていて、Uさんは少し躊躇しましたが、
思い切って焼シュウマイの折りを塀の中に投げ込んだんです。
そしたら、周囲の景色がぐにゃんとゆがんだように見え、
料亭の塀からはかなり離れた、もう家のすぐそばの道に立っていたんだそうです。
「なんかねえ、タヌキとかに化かされたみたいな話だろ」Uさんは笑ってそう言ってました。
最近は都会に住むタヌキの話もニュースに出ますが、そのあたりでは聞いたことはありません。

ロッカーの中から

これは大きな総合病院で看護師をしているMさんから聞いた話で、
前に書いたことがありますが、背景をかなり変えていたので、
もう一度聞いたとおりに書きます。今夜の3つの話の中では、
これが一番不思議で、なんとも説明のつかないものです。
Mさんのその日のシフトは日勤のロングで7時過ぎのあがりでしたが、
所要があったため、年次を取って1時間ほど早く終え、
着替えをしようと1階の女子職員のロッカールームに入りました。
半端な時間なので中はMさんだけで、着替えていたら、
ずらーっと並んだロッカーの十数個右のほうのが、急にバカンと開いたんです。
その音でそちらを見て、Mさんは仰天しました。ロッカーから人が出てきたんです。
それもコートの裾を濡らした西洋人と思われる若い女性。

金髪で、横顔はかなり鼻が高く、20代後半くらいに思えたそうです。
その女性は、たった今、傘をすぼめたばかりのようにして手に持っていて、
傘の先からもしずくが垂れていました。「え、え、えええ?」
と見ていると、外国人の女性はMさんのほうに視線を向けることもなく、
バーンとロッカーの戸をを閉めると、
そのままスタスタと出入口の戸から出ていってしまったんです。
場所がわからないとか、戸惑っているという様子もまったくなかったそうです。
あまり驚いたので、しばし立ち尽くしていましたが、
床を見ると、傘やコートからしたたったしずくが点々と落ちていました。
そのロッカーは幅が広く、人の出入りもできそうでしたが、
さすがに傘をさしたままというのは不可能です。

ロッカーの名札を見ると、面識のある後輩のものでしたので、
少し迷ったものの、思い切って開けてみようとしました。
でも、鍵がかかっていて開けることはできなかったんですね。
ちなみに、その日は外は雨は少しも降っていなかったそうです。
この話は、頭がおかしいと思われるのを承知で、何人かの親しい同僚に話してみましたが、
みなただ驚くだけで、何一つわかったことはありませんでした。
そのロッカールーム自体も、幽霊が出るとかその手の噂はまったくないんです。
「病院勤めだから、怖い話なんかないのかって聞かれることもあるんですけど、
 そういうのは私はまったくなんですよ。内科なので、お亡くなりになる患者さんは、
 毎日のようにおられるんですけど・・・」こうおっしゃっていました。
これしかし不思議ですよねえ。そのロッカーは外国のどこかにつながってるんでしょうか??






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