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踏切と外国人の話

2015.12.06 (Sun)
専業主婦をしてるんですが、まだ子どもはいません。
これからするのは、ある私鉄の踏切と外国人男性の話なんです。
最初の2つは同じマンションのお友達から聞いたもので、
それが私にも関わってきたというか・・・聞いてからどういうことかを考えていただければ。

赤い目

Mさん、としておきます。歳は私より2つ上で、マンションの同じ階に住んでいる方です。
今年4歳になるかわいい娘さんがいるんです。
4ヶ月ほど前の日曜日に、その娘さんを連れて買い物に出たそうです。
車は持ってないので、歩きで近くのショッピングモールに。
その帰り、たくさん買い物をして両手がふさがっていたため、
いつもはつないでいる娘さんの手を離していたそうです。
どれで、その踏切に出たときには、もう遮断機が下り、警報が鳴っていたそうです。
うーん、何の変哲もない踏切なんですよ。開かずの踏切とも言われてません。
そんなに列車の本数は多くないんです。特におかしな噂もなかったと思います。
いい天気で、のんびりと踏切が開くのを舗道で待っていたら、
突然、すぐ前にいた娘さんの体がビクンと震えたのがわかったそうです。

それで、いきなり踏切に向かって走りだしたんだそうです。
一瞬おいて、娘さんをつかまえようと手を伸ばしましたが届かず、
ゴーッという電車の近づく音が聞こえました。娘さんはすでに遮断機の下をくぐりぬけ、
線路にまで入っていたんです。そのとき、「☓◯☓◯」という意味不明な声が背後から聞こえ、
巻き毛の金髪の背の高い外人男性が走り出てきて、
滑りこむようにして遮断機をくぐり、立ち上がって娘さんを抱きかかえたそうです。
娘さんは両手を上に伸ばして暴れるしぐさをしましたが、
外国人男性はそのまま後ろに飛び下がり、そこへ電車が走り込んできたんです。
間一髪だったということでした。外国人男性に抱えられて戻ってきた娘さんは、
まだジタバタと暴れていました。両目がつり上がって、しかも真っ赤だったそうです。
これ・・・普通目が赤いといえば、白目の部分が充血してるという意味ですよね。

ところがそのときは、娘さんの黒目の部分が燃えるような色になっていたということで。
外国人男性が、またわからない言葉で娘さんに何かを言い、
つるんと大きな手で顔をなでたとたん、娘さんは大人しくなり、
きょとんとした顔つきになったそうです。Mさんは安堵のあまり腰が抜けそうでしたが、
外国人男性から娘さんをうけとって強く抱きしめました。
それから、英語がとっさに出てこず、日本語でお礼を言いました。
すると外国人男性は、アクセントは多少変なものの、
文法的にはおかしなところのない日本語で、「いいんです、いいんです。
 ここの踏切は、お子さんとは相性が悪いようです。次からは別の所を通られては」
こう言ったそうです。そしてスタスタと立ち去ってしまったということでした。
家に戻ってから娘さんに踏切のことを聞いても、まったく何も覚えていなかったんですね。

昔の人

これも同じマンションのUさんから聞いた話です。
Uさんは私より4つ下の歳で、まだ子どもはいません。というか去年結婚して、
越してこられたばかりなんです。このUさんが例の踏切で、
一人で電車が過ぎるのを待っていました。
そのときは上りと下りの電車両方が通ったため、かなりの待ち時間があったそうです。
それで、まず最初に上りの電車が行き過ぎて、そしたら、
踏切の向こう側の一番前に、一人の男性が立っていました。
その顔を見て、Uさんはとても驚いたそうです。
なぜかというと、その男性はUさんの大学時代の恋人だったからです。
でも、そんなはずはありません。なぜなら、昔の恋人はUさんとつき合ってから、
4年目の夏に、ここからはかなり離れた海岸で溺死していたんです。

だから、他人の空似だと思いました。まあ当然ですよね。
ところが、Uさんと線路をはさんで目が合うと、その男性は懐かしそうに微笑み、
それからUさんに向かってしきりに手を振ったんです。
その仕草が、昔の恋人そのままで、Uさんはぼうっとしてしまいました。
そのうちに下りの電車がきて、恋人の姿はまた隠れてしまいました。
ありえないことだけど、あの人が生き返ってきたんだろうか?
そんな考えが頭の中を渦巻いて、Uさんは結婚してしまったことを後悔までしたんだそうです。
この電車が過ぎてもまだ、その人が向こう側にいたら・・・
電車が行き過ぎました。どうなったと思いますか?
ええ、その人はまだ向こうの舗道ににいたんです。
でもその肩に、頭一つほど背の高い外国人男性が腕を回していました。

Uさんの昔の恋人は、さきほどの生き生きした表情はなく、
ぼんやりと虚ろな感じで、外国人の男性がその耳に向かって、
しきりに何かを語りかけていたんです。するとだんだんに恋人の体が透けていって、
警報が鳴り終わり、遮断機が上がる頃には、ほとんど消えてしまっていました。
外国人の男性は、肩に回していた腕を下ろし、
そのまま真っ直ぐにUさんの方へ向かって歩いてきました。
そして、よろよろ歩き出したUさんの前で立ち止まり、Uさんを見下ろすようにして、
「今、何か見ましたか? 見てはいけないものを見たでしょう。ダメです。
 あなたもこの踏切とは相性が悪いようです。ここ通らないで、回り道してください」
こんなふうに言ったそうです。Uさんは問い返そうとしましたが、
外国人男性はもう歩き出していて、かなりの速さで遠ざかっていくところだったそうです。

図書館で

この2つの話をたまたま連続して聞きまして、私は好奇心を持ったんです。
その踏切は私はあまり通らない場所にあったんですが、ヒマにまかせて行ってみました。
ええ、その外国人男性を見られるかもと思ったんです。
でも、そんな人はいませんでした。ちょっとがっかりしましたが、
まあそうだろうなあとも予想はしてたんです。
2人の話はたまたま外国人男性が出てきただけで、同じ人とはかぎらないし、
Uさんの話にいたっては、白昼夢じゃないかとも思いました。
陽炎がゆらめくような暑い日が続いていましたから。
・・・その夏の間、私は日中図書館通いをしていたんです。
これはお恥ずかしい話ですけど、エアコン代を節約するためでした。
午前中に掃除洗濯を済ませてしまって、暑くなる午後に自転車で図書館に向かいまして。

わりと近くなんです。それで流行の小説を借りだして2時間ほど読んで帰る。
そういう生活リズムができてきていました。で、今話したことがあったものですから、
ちょっとその踏切のことを調べてみようかと思ったんです。
まず手始めに地方新聞の縮刷版を見たんですが、すぐにやめました。
あまり膨大な量でらちがあかないと思ったんです。
その日は家に戻ってから、インターネットで検索してみました。
ええ、事故の記録が見つかったんですけど、それが40年も前のものだったんです。
私が生まれる10年以上も前のことです。
ポーランド人の女性が踏切事故で亡くなったようですが、詳細はわかりませんでした。
当時はまだ、このあたりでは外国の方は珍しい時代だったと思います。
他に情報はないかと探したんですが、その記事だけでした。

翌日、図書館の郷土出版のコーナーに行って棚を見ていると、
「◯◯市鉄道史」という厚い本が目に止まり、読書コーナーに持ってきました。
そのポーランド人女性の事故のことが出てないかと思ったんです。
目次を見てもはっきりわからず、巻末についている年表にも事故のことはなし。
だいたい40年前あたりのところを読んでいるうちに、ふっと眠気がさしてきました。
気がつくと机に伏せて眠っていて、係員の方に声をかけられてしまいました。
恥ずかしくて顔が真っ赤になり、本を戻して帰ったんです。
それから2日間、図書館には行きませんでしたが、ほとぼりが覚めたかと思ってw
また行ってみました。鉄道史の本はコーナーになくなっていました。
カウンターに行って同じ本が書庫にあるかどうか聞こうとしたんです。
そしたら、衝立の陰から外国人の男性が立ち上がりました。

見上げるほど背が高く、おそらく私よりも若いと思える人でした。
外国人の男性は私に向かって、小声で「あなたが探してる本、私が借りました。
 読まないほうがいいです。それがあなたのため。
 あの踏切について調べるのはよくないです。心配しないで。 ワタシが、
 父の代からずっと、邪悪なものからずっと守っていますから」
こうささやいてにやっと笑い、立ち去って行ったんです。

あじゃかっかあい





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