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座敷わらし あれこれ

2015.12.07 (Mon)
youtubeの座敷わらし動画が海外で評判になっているそうで、
今日はこの話題でいきます。題名に「あれこれ」とついているのは、
特に何かの結論めいたものはなく、さまざまな内容を羅列しているだけということです。
「座敷わらし」をWikiで見てみますと、
『主に岩手県に伝えられる精霊的な存在。座敷または蔵に住む神と言われ、
家人に悪戯を働く、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承がある。』

似たような伝承は東北各地、それ以外の地にもあるようですが、
柳田國男『遠野物語』で、岩手県のが有名になったわけですね。
ちなみに豆知識として、柳田は「やなぎた」と読みます。「た」に濁点がありません。
ご本人は「やなぎだ」と読まれると訂正していたそうで。

水木ロードの座敷わらし像


まず、この座敷わらしですが、はたして幽霊なのでしょうか、それとも妖怪?
これについては自分は妖怪としてとらえています。
当ブログで何度か書きましたが、自分は基本的に、
幽霊というのは、生前のプロフィール(いつどこで亡くなった誰それさん)がわかり、
なおかつ周囲が「あの人が化けて出る(成仏できない)のはしかたない」
と納得する事情があるもの、として考えているからです。
ですから、もし座敷わらしのプロフィールがわかるのであれば、
幽霊と呼んでもかまわないという気がします。
座敷わらしが、もし幼くして亡くなった子どもたちの霊や念を集めたものであるとしても、
やはりそれは、妖怪として考えたいところです。

次に、座敷わらしに関連して、よく間引きとか口減らしとか子殺し系の話を説く人がいます。
『遠野物語』の成立に深く関わった、民俗学者の佐々木喜善氏によれば、
『座敷童子のことを、圧殺されて家の中に埋葬された子供の霊ではないかと述べている。
東北地方では間引きを「臼殺(うすごろ)」といって、
口減らしのために間引く子を石臼の下敷きにして殺し、
墓ではなく土間や台所などに埋める風習があったといい・・・(後略)』

こんな怖い話もWikiには載っています。もちろん飢饉時には口減らしはあったでしょうが、
それでなくとも明治以前の乳幼児死亡率は高かったのです。
どこの家系でも、幼くして病死等した子どもは多かったと思われます。ですから、
座敷わらしを村落共同体の暗部の象徴とだけみるのはどうかなあという気がしますね。

このことに関連して、自分の専門の考古学で思いつくのは「埋甕(うめがめ)」という、
縄文時代中期から後期にかけての風習です。ただしこれは東北地方ではなく、
中部から関東にかけて多かったものです。使用されるのは甕棺とまではいえない、
小型の甕で、土器棺と言ったほうがふさわしいでしょう。
甕棺のように葬送用に特別につくられたわけではなく、
日常使用された平口のものが多いようです。
これが縄文時代の住居の内や外に埋められているのが見つかります。
住居内に埋められたものは、中に産まれた子どもの胎盤を入れていた
という説がありますが、はっきりした根拠はありません。
一方、外に埋められたものからは乳幼児の人骨が出ています。

「埋 甕」


あまり深入りすることは避けますが、これらは素朴な古代呪術であると思われます。
縄文時代に間引きがあったかはわかりませんが、胎盤を入れて甕を埋めたものは、
産まれた子どもの健やかな成長への願いだったと考えられますし、
家の外に埋めたのは、次子や家全体の繁栄を願うものだったかもしれません。
ですから、座敷わらしについても「早世した子どもが家の守り神になる」
程度に考えたほうがよいのではないかという気がしますね。

『特徴的な民間信仰として、座敷童子がいる家は栄え、
座敷童子の去った家は衰退するということが挙げられる。こうした面から、
座敷童子は福の神のようなもの、または家の盛衰を司る守護霊と見なされることもある。』

このようにWikiに出ていますが、やはり家の守り神として考えられる面が大きかったのです。
ただ、座敷わらしに会える宿として知られていた、岩手県金田一温泉郷の「緑風荘」は、
2009年に起きた火事で、座敷わらしを祀る中庭の亀麿神社以外が全焼しました。
従業員・宿泊客は全員無事だったが、営業停止状態となっています。
宿のご主人は、「ずっと予約が満杯で、家族みなが過労状態にあったので、
火事になったのも座敷わらしの導き」とコメントされていましたが、
まだ再建のめどはたっていないようです。このあたりは塞翁が馬というか、
ものは考えよう、ということなんでしょう。

あと、Wikiに実に面白い記述があって、『高橋貞子著『座敷わらしを見た人びと』によれば、
座敷童子は大工や畳職人が、家の工事の際に気持ちよく仕事できなかったことに対する呪い
から生じたとする話も残っており、木片を薄く剥いだ人形を柱と梁の間に挟みこむ
などの呪法があったという。』
これ面白い話ですね。
たぶん工賃を満足に払ってもらえない、あれこれ文句をつけられたなどで怒った大工が、
木っ端に簡単な細工をして人形をこしらえ、
見えない部分に呪いとしてはめ込んでおいたということなのでしょうが、
なんか怖い話のネタとして使えそうな気がしますね。

最後に、水木御大と並ぶ昭和のオカルト漫画家、
つのだじろう氏描くところの座敷わらしが、テレビの映像中で目を開けたとする話です。
youtubeから引っぱってきました。

これはかなり反響を呼んだようです。たしかまぶたの部分には別種の塗料が使われていて、
紙を動かしたときの光の加減で目が閉じるように見えるという解説があったのですが、
みなさんはどう思われますでしょうか。




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コメント
 こんばんは、野崎です。

 座敷童は以前ネタにして一本書いた時に調べたことがありまして、その時に知ったのですが、座敷童にも家の盛衰に関わるタイプ(チョーピラコ)とただ怪奇現象を起こすだけのタイプ(臼搗き童)がいるとされているそうです。なので、間引かれた子の霊が座敷童になるとしたら後者なんじゃないかと思います。
 少なくとも、間引きに触れている佐々木喜善はそう考えていたのでは、と思います。
野崎昭彦 | 2015.12.08 19:28 | 編集
コメントありがとうございます
これははじめて知りました
チョーピラコですか、不思議な語感ですね
bigbossman | 2015.12.08 23:00 | 編集
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